外資系の工場アイキャッチ

これまで、日系企業でキャリアを積み、転職を考えている方の中には転職先として外資の工場・製造業を検討している方がいます。外資系企業は、「高収入を得られる」「実力次第で若くても昇進できる」などと聞き、キャリアアップや給与アップを目的に外資の工場・製造業への転職に挑戦してみたいという気持ちを持っている方もいるでしょう。

しかし、外資の工場・製造業への転職について興味はあるけれど、「日系の工場・製造業と異なる部分があるのでは?」「外資の工場・製造業への転職はハードルが高い」「英語やその他の外国語力がどの程度必要なの?」など、外資系企業の実態を知らないがゆえに不安を抱くこともあるでしょう。

そこで、この記事では外資の工場・製造業と日系の工場・製造業のちがいや給与や年収、外資系企業に採用されるために知っておきたいことについて紹介します。

外資の工場・製造業と日系の工場・製造業のちがいとは?

まず、外資の工場・製造業と日系の工場・製造業のちがいを紹介します。外資系企業は、外国資本によって成り立つ企業のことで、工場・製造業でも海外の企業が日本に進出した場合や、外国企業と日本企業の共同出資で成り立つ場合、外国企業に買収された日本企業などがあります。

ちなみに、外資系メーカーは、消費財メーカー、化学メーカー、医療機器メーカー、製薬会社などに分類され、日本でも有名な企業が多数あります。

また、外資系企業は、実力主義・成果主義ともいわれおり、年齢に関係なく、実力がある人や結果を出した人が昇進していく個人主義の企業であるとも言えます。

例えば、以下は、東京都の外資系素材メーカーの求人です。

外資系の工場の求人票1

こちらの求人では、個人の能力などにより年1回昇給ありとの記載があります。このように、個人の能力が評価されその結果が、給与や賞与、昇給に反映されます。

一方、日系企業の工場・製造業は日本国内に本社を構える企業です。個人の実力よりかは過程(プロセス)を重視する傾向があり、チームで協力しながら仕事を進めることが多いです。また、年功序列で長く務めることで昇進していく傾向があります。外資系の個人主義に対して集団主義というイメージです。

しかしながら、外資系企業ではあるものの、日系企業のような社風や雰囲気が特徴となっている企業もあります。

例えば、以下は、神奈川県の自動車用シートの生産技術の求人です。

外資系の工場の求人票2

こちらの求人は、外資系ではあるものの、英語力も不問で、国内メーカーのような雰囲気があり定着率が高い環境で働けます。外資系のイメージの中には、働く人の入れ替わりが激しいなどの声もありますが、定着率が高い環境であれば安心して長く勤務することも可能である言えるでしょう。

外資の工場・製造業と日系の工場・製造業はそもそも、考え方が異なるため、どちらが「良い・悪い」ではなく、働くうえで「向き・不向き」「合う・合わない」があるということが考えられます。

外資の工場・製造業の給与や年収は?

次に、外資の工場・製造業の給与や年収についてです。外資系と聞くと給与が高いというイメージを持つ方もいるでしょう。実際には、日系企業より高い給与の企業が多くあります。

さらに、外資系企業では成果に応じてインセンティブ(やる気を起こさせる刺激)を支給する企業もあるため、成果を出すことで評価され給与が高くなる傾向があります。

そこで、ここでは、外資の工場・製造業の給与や年収についてや年収アップが見込める働き方について紹介します。

ベース給とインセンティブ

まず、外資系企業では、ベース給とインセンティブを適応している企業が多くあります。ベース給は、日系企業の基本給のようなもので、役職や経験などによって一定の給与です。そこに、担当業務で成果を出すことができるとインセンティブが支払われ給与が上がる仕組みです。

なお、ベース給が低くても、成果を出しインセンティブを得ることで年収が上がることもあるため、外資系企業は日系企業に比べ高収入を得ることが可能となります。

基本的には、外資系企業の給与はベース給とインセンティブから構成されていますが、外資メーカーや、外資の工場・製造業の求人ではベース給が比重を占めている場合が多いところがポイントです。

外資の工場・製造業では、日系企業のようにベース給高いことで、安定して高い給与を得られるという安心感があります。また、求人票にはベース給のみ掲載されていることもありますので、面接の際などにインセンティブについてしっかりと確認していきましょう。

それから、外資の工場・製造業の求人広告を見てみると、月収ではなく年収で記載されていたり、賞与込みの年俸制があったりする場合であることが少なくありません。

例えば、以下は、神奈川県の生産技術の求人です。

外資系の工場の求人票3

こちらの求人では、年収600万円~1000万円程度となっています。年収で表記されているため一見収入が高く見えますが、月収に換算すると同等の場合もあるので、総支給額で比較することが大切です。

また、手当が住宅手当と通勤手当のみ記載されているため、手当についてもよく確認していきましょう。年収アップのために、転職をしたのに実は年収が下がってしまったなんてことにならないように、気を付けてください。

工場責任者や工場長として働くと年収アップが見込める

さて、ここでは年収アップが見込める働き方をご紹介します。一つ目は、「工場責任者や工場長として働く」です。工場責任者や工場長の業務内容は、現場のとりまとめや人材の育成など、責任のある仕事にはなりますが、その分給与が大変高くなっています。

例えば、以下は、神奈川県の外資系電子機器メーカーの工場次長の求人です。

外資系の工場の求人票4

こちらの工場次長の求人では、年収が800万円~900万円と高収入です。応募条件として、製造業での管理監督者や量産管理の経験がある方となっているため、知識や経験が必要です。さらに、海外の親会社の方針を理解するためにコミュニケーション力も必要とされています。

しかし、こちらの条件を満たすことができるのであれば、高収入が期待できる工場次長の求人に応募してみるのもよいでしょう。また、責任者として働くことでしっかりと賞与がでる求人を探すのもおすすめです。

例えば、以下は、千葉県の工業用電気ヒーター用素材等の金属材料製品を取り扱う企業の副工場長の求人です。

外資系の工場の求人票5

こちらの求人では、副工場長として、「工場全体のモノづくりのレベルアップを図り、リードしていただくことを期待します。」との記載があります。責任者として働くことで、年収は750万円~990万円、賞与は100万円となっています。経験がある方であれば、日系の工場・製造業から外資の工場・製造業へ転職をすることで、大幅に年収をアップすることも可能です。

このように、外資の工場・製造業では、責任者として働ける人を求めている求人が多々あります。今までの知識や経験を活かすことで、キャリアアップや収入アップもできるので、責任者として働くことも視野に入れてみるのもよいでしょう。

海外の工場で勤務する

二つ目は、「海外の工場で勤務する」です。アジアに進出する工場・製造業では、工場の立ち上げや生産ラインの設計やマネジメント体制を整えるなど、さまざまな場面で知識や経験を得ている日本人が活躍しています。

ちなみに、中国やタイ・フィリピン・ベトナムなどが工場進出の拠点となっている場合も多く、勤務先が海外の工場となる求人が増えてきています。

例えば、以下は、中国で新商品開発の求人です。

外資系の工場の求人票6

こちらの求人は、食品開発と工場へのアドバイス業務が主な業務で、勤務先は中国現地の工場です。年収は800万円~1200万円とかなりの高収入が見込めます。

他には以下のような求人があります。

外資系の工場の求人票7

こちらはタイ工場の求人で、年収400万円~600万円となっています。上記の中国の求人よりかは年収が下がってしまいますが、日系の工場・製造業の求人と比べると400万円~600万円は比較的高い年収であるといえます。

さらに、海外赴任の場合はプラスして赴任手当が支給されるなど、海外の工場勤務となると高収入を得ることも可能です。また、こちらの求人は学歴不問となっているので、語学力に自信がないけれど挑戦してみたい方にはおすすめの求人です。

挑戦する気持ちや、やる気次第で若いうちから高収入を狙うことができ、さらに海外で活躍することもできるためやりがいを感じれる仕事でもあります。

外資の工場・製造業に採用されるポイント

最後に、外資の工場・製造業に採用されるために押さえておきたいポイントをご紹介します。

いざ、外資の工場・製造業に転職を考えたとしても日系企業からの転職となるとわからないことが多く不安なことや心配なこともでてくるでしょう。

例えば、「語学力って必要なの?」「英語が話せないけど採用してもらえるの?」など、語学力に関する疑問や、「外資系企業の求める人材ってどんな人?」などについて紹介します。

語学力が必要な場合がある

外資系の工場・製造業では、英語やその他の外国語を話す上司や同僚がいる場合、円滑にコミュニケーションをとるため語学力が必要となる場合があります。

企業によって、語学力を求める企業とそうでない企業がありますので、語学力を活かして仕事をしたいと考える人と、語学力には自身はないけれど外資の工場・製造業で働きたいと考える人では、転職先が変わってくるでしょう。実際、英語力が必須条件となっている求人もあります。

例えば、以下は外資系大手消費財メーカーの工場SHE・アドミニストレーションの求人です。

外資系の工場の求人票8

こちらの求人では、応募資格にTOEIC750点相当を有する方との記載があります。このように、TOEICの点数〇〇点相当や、〇〇点以上など具体的な数値が掲載されている求人もあります。

さらに、「今後のキャリアを踏まえると、英語を有することでキャリアの広がりがうまれるかと思います」とのことで、語学力がある人や、今後、語学力を身につけていこうと努力する姿勢も重要視されています。

しかし、TOEICの点数が低いからや英語が話せないからといって外資の工場・製造業への転職が不可能であるというわけではありません。

例えば、以下は、神奈川県の生産技術の求人です。

外資系の工場の求人票9

こちらの求人は、外資メーカーの日本国内の工場の生産技術の求人です。国内外での生産も好調で、今後国内外の事業を推し進めるための求人を出しています。応募条件は、実務経験や技術を持ち合わせている方となっており、外資系ではありますが、入社時の語学力は不問です。

このように、外資の工場・製造業では語学力不問の求人もあります。今は、英語がわからなくても、技術や経験があれば外資の工場・製造業でも働くことは可能ですので、諦めずに探してみましょう。

とはいえ、英語を使う場面も多々ありますので、外資系企業で働くのであれば英語力は必要となってくることもあるでしょう。これから、身につけていきたいという気持ちを持ち面接などでしっかりとアピールすることも大切です。

文化の違いを受け入れよう

日系企業から外資系企業へ転職すると、文化の違いや社風の違いに驚くことが出てくることもあるでしょう。そもそも、外資の工場・製造業では外国人の上司や同僚がいる場合があるため、仕事をしていく上では異なる考え方などを理解することも大切になってきます。

外資系の企業では、

  • 自分の意見を持ち、自己主張する力を持つ人
  • YES/NOがはっきりと言える人
  • 個人としての実力を兼ね備えている人
  • 上司や同僚とコミュニケーションがとれる人
  • 語学力がある人、または身に着ける努力ができる人

を求める傾向があります。

上記でもお伝えしたように、外資系の企業は個人主義。上司からの指示を待つというより、自ら考えて行動し仕事を進めていく傾向が強いです。

また、チームで協力しながら頑張るというよりかは、与えられた仕事を個々で進めていくという考え方でもあります。日系企業では、チームワークを重視しているところがありますが、その点では外資系企業は反対の環境であると考えられるため、日系の工場・製造業から外資の工場・製造業への転職の際は、ギャップを感じることもあります。

それだけではなく、即戦力として専門知識や技術力がある人も求められています。外資系企業は、年齢や性別、勤務年数よりも個人の能力や実力を評価するので、若くても実力がある人は昇進しますし、給与も上がります。

日系企業に多い長く勤めれば給与が上がっていく年功序列の考え方とは異なるため、この点についても知っておく必要があります。

外資の工場・製造業で採用されるためには、

  • 外資系企業の考え方を知る
  • 語学力を身につける努力をする
  • この人と一緒に働きたいと思ってもらえるように面接で自分の能力をアピールする

ことが重要なポイントになってくると言えるでしょう。

待っているだけでなく、やりたいことがあれば自ら手を上げ自分自身のキャリアアップ、スキルアップのために能動的に行動していくことが、外資の工場・製造業へ転職する際に大切なことです。

まとめ

ここまで、外資の工場・製造業へ転職する際に知っておきたいことについて紹介してきました。

まず、外資の工場・製造業で働くことで、年収アップすることは可能です。さらに、責任のある立場へキャリアアップすることや、海外にある工場で勤務することで高収入を狙えることがわかりました。

しかし、外資の工場・製造業では、日系企業の考え方と異なる部分も多々あります。いままで日系企業で勤務してきた方にとっては、外資の工場・製造業への転職でギャップを感じることもあるでしょう。

ただ、外資系企業の考え方や傾向を知ること、気になる求人の企業研究を徹底的に行うことで、チャレンジしたという気持ちが湧いてくると思います。

より良い環境で、ご自身の能力を活かした仕事をやっていきたいと考える方にとっては、外資の工場・製造業への転職はやりがいを感じれる仕事になるでしょう。

ぜひとも、外資の工場・製造業への転職の際は、自分の持つ能力に自信を持って面接でしっかりとアピールし、採用をつかみ取りましょう。


工場・製造業に転職をするとき、ほとんどの人は転職サイトを活用します。転職サイトを利用しないで自分の力だけで求人を探すと、希望の条件を満たす求人を見つける作業のみならず、労働条件や年収の交渉・アポ取りなどさまざまな作業を自分でやらなければなりません。

そこで、転職サイトに登録することで、求人の紹介から労働条件や年収交渉だけでなく、履歴書や職務経歴書などの書類関係を送付するなど面倒な事務作業まで行ってくれます。

ただし、転職サイトによって特徴が違います。例えば「工場・製造業の転職に強い」「全国各地に強いのか、それとも都市部に強いのか」「20代・第二新卒が得意」「40歳以上でも転職を成功させてくれる」などの違いがあります。

転職を成功させるには、これらの違いを理解した上で転職サイトを活用しなければなりません。そこで、以下のページでそれぞれの転職サイトの特徴を解説しています。これらを理解することで、転職での失敗を防ぐことができます。