工場転職の経験談のアイキャッチ

工場・製造業への転職は誰でもできて、給料が良く・残業が少ないなどの理由から異業種から転職をしてくる人や今も工場・製造業で働いているがより良い職場に転職したい人など転職活動が盛んな職種といえます。

とはいえ、いざ自分が転職をしようとしたときにどのように転職活動をしてよいか分かりません。

私は製造業で15年働いていましたが、色々な理由から転職活動をはじめました。結果的には満足のいく転職ができましたが、方法を間違えると自分の理想とは違う職場で転職が失敗していたかもしれません。

そこで、工場・製造業ではどのように転職活動をすればよいか、私の実体験を交えながら方法やポイントについて解説していきます。

技術者として製造業に就職

恥ずかしながら、私は高校中退で最終学歴が中学卒業です。高校を中退してからは24歳まで、バイトや派遣社員などを転々として働いていました。

この時は、将来のことなど考えもせずに毎日飲み歩いていました。そのため、働くといっても飲み代を稼ぐために働いていたようなものです。

そんなある時、飲み会で知り合った女性と関係を持つことになりました。そのときに、女性に子供ができて、私はその女性と結婚することになりました。

当然、この時も正社員として働いておらず、スキー場でスノーボードのインストラクターをバイトとしてやっておりました。

スノーボード一級合格証

さすがに、このままではまずいと思い仕事を探すことにしました。とはいえ、「何をしたいのか」「何ができるのか」など方向性自体が全く定まっておりませんでした。

このとき、製造業の営業をしていた義父が取引先の製造業を紹介してくれました。義父は「この仕事は仮にこの会社がダメになっても、どこにいっても通用する技術が身につけられる仕事だから」ということで紹介していただきました。

それから、私はこの会社でNC旋盤という機械を操作する仕事をすることになりました。

以下は実際に私が使用していたNC旋盤になります。

NC旋盤

残業代は支給されるが、残業時間が多すぎる

この工場は機械部品や半導体などの精密部品などを製造する工場でした。あまり大きい会社ではありませんでしたが、NC旋盤の他にマシニングセンタやフライス盤・円筒研磨機・ボール盤などさまざま機械がありました。

入社してすぐに機械の操作方法などを教えていただきながら仕事をしていました。入社して3日目で、「残業できる?」と言われて、その日から毎日3時間の残業がスタートしました。

当時は、好景気で親会社自体も経済的に安定的していたため、「見込み生産」が多く納期もあまり厳しくありませんでした。それでも、毎月60時間程度の残業時間でした。

その後、1年ほどして世界的な大不況があり、親会社からの仕事依頼は「受注生産品」ばかりになり、私たちのところにくる仕事はすぐに欲しいという部品ばかりになりました。

そのため、納期が1週間というものが当たり前になり、毎日残業時間は4、5時間で多いときには残業時間だけで8時間というときもありました。そうなると、月の残業時間は80~100時間を超えるときもありました。

以下は実際に100時間を超える残業をしていたときの給料明細になります。

給料明細

それでも、残業代は全額支給されていたので、ブラック企業ではありませんでした。とはいえ、残業時間や業務量など多すぎたのでホワイト企業ではないと思います。

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会社側との意識の違いを実感する

このような状況が何年も続き体力的にも精神的もきつかったのですが、学歴がない上に妻や二人の子供がいたので、簡単に辞めることができずにいました。

そこで、会社に現在の状況を踏まえて作業効率の低下や従業員のモチベーションの低下などから、生産性が低下して会社としても良くないことを伝えることにしました。

しかし、会社から帰ってきた回答は「モチベーションなんて関係ない、仕事なんだから文句を言わずに仕事をしろ」という内容のものでした。

それから、会社に対して不信感を抱くようになりました。

将来のことを考えて転職を決意

それでも、家庭があるためなかなか転職に踏み切ることができませんでした。しかし、日に日に不満やストレスは募っていくばかりでした。

あるとき、将来のことを考えてとても不安になりました。それは、「退職制度がない会社だったため、今の仕事量を50、60歳になっても行えるのか?」というものです。

また、仕事ができなくなっても退職金がでないため簡単に辞めることができません。逆に、会社から辞めてくれと言われたら60歳を過ぎてどんな仕事に就けばよいのかなど、不安要素が多すぎたため転職を決意しました。

とはいえ、転職先を決めずに辞めてしまっても、収入がなくなり家族を養えなくなってしまいます。そのため、会社には分からないように在職中に転職先を探すことにしました。

 40歳を過ぎてからの転職活動を開始する

しかし、正社員から正社員の転職は始めてで年齢的にも40歳を過ぎていたため、正直どのようにしたらよいかまったくわかりませんでした。しかも私の肩書きは中卒です。

ただ、自分一人で転職活動を行うのはあまりにも無謀であることは分かっていたので、まずは転職サイトに登録をすることにしました。

このとき私が登録した転職サイトは以下の5社になります。

  • doda
  • パソナキャリア
  • リクルートエージェント
  • メイテックネクスト
  • マイナビエージェント

とりあえず以上の5社に登録したので、各転職サイトの強みや違いなどわかりませんでした。しかし、転職活動を進めるにつれて各社の違いが分かってきました。

例えば、「全国に拠点をもっていて、事前面談に強みをもっている」「年収アップを実現したい人に向いている」「工場・製造業の専門性が高い」など、それぞれに強みがありました。

当初は、とにかく今の会社を早く辞めたいという気持ちだけで転職活動をしていました。しかし、転職エージェントの担当者の方は私の相談に真剣に乗ってくれました。

この時に、転職サイトの強みだけでなく、担当者の実力や誠実さなども影響してくることを実感しました。

さらに、ヒヤリングのときには私の学生時代を含めた経歴や実績など細かいところまで聞いていただき、私に合った求人をすすめてくれる担当者もいれば、大まかなヒヤリングのみで的外れの求人をすすめてくる担当者もいました。

そのため、当初5社だった転職サイトを2社に絞って転職活動をすすめていくことにしました。

複数の転職サイトに登録することが必須

最後は1社に絞って転職活動をしましたが、いま考えると、最初に複数の転職サイトに登録をして比較していったことで自分に合う転職エージェントの担当者に出会うことができ、転職を成功させることができたのだと思います。

私に合わない担当者の方は、私の話をしっかりと聞いてくれずに私の希望とする内容のものとはまったく逆の求人票を紹介してきました。

一方で、転職を成功させてくれた担当者の方は、事細かく私のことを聞いてくれました。そこで、私の強みを最大限に引き出して弱みを指摘してくれました。

さらには自分が経験してきた成功談と失敗談を交えながら丁寧に教えていただきました。

このとき、転職サイトを1社しか活用しないと他の転職サイトの担当者と比較することができません。つまり、転職に失敗してしまう可能性が非常に高いということになります。

実際に私が一番初めにやりとりを行った担当者とは、うまくいかず一回だけのやりとりだけでその後は連絡を取っていません。

そのようなリスクを無くすことや、自分の納得いく条件を満たすため・後悔のない転職をするためにも複数(3社以上)の転職サイトを活用することを強くおすすめします。

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新しい工場・製造業に転職を成功させる

また、転職エージェントの担当者は求人を紹介してくれるだけでなく、求人に応募するときに必要な事務手続きをほとんど代行してくれます。

さらに、面接時の「転職理由」「自己PR」などの想定質問のアドバイスなどの相談にものってくれました。

加えて、年収についても気になっていました。これに関しても、担当者が私の代わりに会社と交渉をしてくれて前職よりもよい内容の給料を出してくれることになりました。給料については、間違いなく私自身が会社と交渉してもうまくいかなかったと思うので、本当に助かっています。

このように転職エージェントを利用することで、自分の理想とする会社に転職を成功させる可能性が高くになります。

当然、新しい工場に転職したときは苦労がたくさんありました。同業種とはいえ、扱う機械が違ったため操作方法が違ったり、刃物や工具の置き場が違ってあたふたしてしまったりとたいへんなことはありました。

しかし、前職では月に80時間あった残業時間は今では20~30時間程度になりました。また、休日も前職では年間95前後だったのが120日程度なりました。

その結果、体は楽になり休日は子供と遊ぶことが増えてストレスが減ったのを実感できます。もちろん、運動会や音楽会などの行事にも参加できるようになり子供の成長を感じることができています。

例えば、以下は子供の運動会に行ったときの写真です。

子供の運動会

仕事の悩みやストレスを解消することで結果的に仕事以外の時間が充実して楽しい毎日を送ることができています。

転職ではエージェントの活用が重要

これまで、私の実体験を元に工場・製造業への転職をどのように成功させたか解説してきました。

転職を成功させるポイントは、まず複数(3社以上)の転職サイトに登録しましょう。その中からこちらの要望をしっかりと聞いて、優れた提案をしてくれる担当者の転職サイトに絞りましょう。

このときに、大手企業が運営する転職サイトであっても担当者の対応が良くないことがあります。このような転職サイトを避け有能な担当者がいる転職サイトを選ぶ必要があります。

そのためにも、最低3社以上の転職エージェントを活用することが失敗のリスクを減らし転職を成功させるポイントになります。

以上のことを踏まえて、自分の理想とする中途採用の求人を紹介してもらいましょう。そうして、優れた求人を紹介してもらうことで優れた会社と出会うことができます。


工場・製造業に転職をするとき、ほとんどの人は転職サイトを活用します。転職サイトを利用しないで自分の力だけで求人を探すと、希望の条件を満たす求人を見つける作業のみならず、労働条件や年収の交渉・アポ取りなどさまざまな作業を自分でやらなければなりません。

そこで、転職サイトに登録することで、求人の紹介から労働条件や年収交渉だけでなく、履歴書や職務経歴書などの書類関係を送付するなど面倒な事務作業まで行ってくれます。

ただし、転職サイトによって特徴が違います。例えば「工場・製造業の転職に強い」「全国各地に強いのか、それとも都市部に強いのか」「20代・第二新卒が得意」「40歳以上でも転職を成功させてくれる」などの違いがあります。

転職を成功させるには、これらの違いを理解した上で転職サイトを活用しなければなりません。そこで、以下のページでそれぞれの転職サイトの特徴を解説しています。これらを理解することで、転職での失敗を防ぐことができます。