保育士から工場にアイキャッチ

子どもと接する仕事にやりがいを感じ保育士をしていても、頑張りが評価されなかったり、サービス残業が多く休みの日もイベントの準備で休めなかったりなどして転職を考えている人がいます。

一方で、工場・製造業の仕事は、こつこつと集中して作業に取り組むことができ、給料や福利厚生の水準も高くなります。また手に職をつけられることから、よりよい職場環境を求めて未経験からのキャリアチェンジを希望する保育士が多くいます。

そこで今回は、保育士から工場・製造業に転職するメリットや、自分に合った職種探しのポイント、保育士から工場・製造業へ転職する際の志望動機の書き方まで含めて解説します。

保育士から未経験で工場・製造業に転職するメリット

保育士から他業種への転職を考える場合、工場・製造業への転職はメリットがたくさんあります。

なぜなら、工場・製造業の求人は未経験者の受け入れが多く、保育士という異業種からでも十分に挑戦が可能であるからです。さらに待遇面や福利厚生面などで保育士として働くよりも良い条件で仕事に就けます。

まずは、保育士から未経験で工場・製造業に転職するメリットについて見ていきたいと思います。

保育士に比べて製造業は福利厚生がしっかりしている

保育士から製造業に転職するメリットの一つ目として、充実した福利厚生が挙げられます。

かつて「汚い・臭い・きつい」、いわゆる「3K」と呼ばれてきた工場・製造業の仕事です。ただ現在では、その業界イメージを払拭すべく多くの工場や製造業の現場で労働環境の改善が進められているのです。

多くの会社では休日がしっかりと固定されていて、基本的には残業もほとんど発生しません。仮に残業が発生しても、働いた分に対してはきちんと残業代が支払われるのが通常です。

中には、平日でも自分で休日を設定できる制度を取り入れている会社もありますし、有給休暇や介護休暇制度などしっかりと休みを取れる体制が取られているところが多いです。そのため、家庭と仕事との両立を希望する人やプライベートを充実させたいという方にも最適だといえます。

他にも、資格を取る際に会社がその費用を負担してくれる資格支援制度があったり、従業員持株会があったり工場・製造業は福利厚生面で待遇がいいといえます。

例えば、以下は横浜にあるガラス製品を製造している工場の求人です。

保育士から工場に求人票1

このように、時間外手当ついてたり、資格支援制度があったり福利厚生が整っているため製造業は最適なのです。

ちなみに、以下は実際に資格支援制度を利用するときに使用する書類になります。

資格支援制度の書類

このように記入欄に必要事項を記入して提出することによって、資格を取るときに掛かった費用の全額、もしくは数パーセントが会社から戻ってきます。

給料アップが見込める

さらに、製造業は保育士の仕事と比べて給料が良いケースが多く保育士としての給料に不満がある、もっと稼ぎたいと考えている保育士の方には魅力的なポイントです。

まず、以下は保育士の平均給料になります。

平均月給平均賞与平均年収
23.9万円70.8万円357.6万円

これに比べて、製造業の平均月給は約30万円、平均賞与は約100万円、平均年収は約520万円と、保育士と比べて高い水準にあることは明らかです。

例えば、以下は千葉にある食品加工工場の求人です。

保育士から工場に求人票2

このように、経験不問、未経験歓迎の求人でも月給27万円からという好条件になっています。

給料アップを目指して保育士からの転職を考えるのであれば、未経験でも高い給料が望める製造業がおすすめです。

人間関係で悩んでる人はモクモク作業がおすすめ

他には、職場における人間関係の悩みを製造業ならある程度解消することができます。

保育士の方の中には、子どもや保護者との関係に悩んでいる、女性が多い職場で噂話やだらだら続く世間話が苦痛であったり、集中して仕事に取り組みたいのに上司や同僚にペースを崩されるのが嫌であったりという方がいます。

その点、製造業であればコミュニケーションは業務上必要な最低限のものに限られ、基本的には一人で黙々と作業に取り組むことができます。

業務時間も決められていて、残業もほとんどないので業務が終わればそのまま帰宅し、ひとり時間や家族との時間を自由にゆっくりと楽しむこともできるのです。

例えばこちらは、千葉にあるペール缶(ドラム缶の小さいサイズ)の製造を行っている工場の求人です。

保育士から工場に求人票3

製造ライン作業のように単純作業をこつこつと行う職種であれば、人付き合いをストレスに感じる人であっても黙々と自分のペースで集中して仕事に取り組むことができます。

関連記事

保育士から工場・製造業に転職するデメリットを回避するには

とはいえ、保育士から製造業への転職にはデメリットもあります。

保育士から製造業への転職は、福利厚生や給料、一人で作業に打ち込める職場環境などメリットに感じる点が多いですが、単調な仕事を繰り返し行うことに苦手意識がある人にとっては逆に製造業のデメリットと感じられるかもしれません。

そのようなデメリットに感じられる点も、自分の適性に合った職種を選ぶことで回避できます。

単純作業が苦手な人が製造業に転職する場合における、職種選びのポイントを解説します。

単純作業が苦手な人は服飾関係の工場がおすすめ

目の前の作業に黙々と取り組む単純作業が苦手だという人には、服飾関係の工場がおすすめです。

なぜなら、服飾関係の仕事はデザインや型紙を作るパタンナー、縫製などの作業内容がありますが、どれもパターンが決まっていて同じことの繰り返しという作業ではないからです。

そのため、専門的な知識が必要とされるので経験者を募集することが多い分野になります。しかし、熟練技術者の不足に悩む会社は多く自社で一から技術者を育成しようと研修や指導に力を入れている会社があります。

例えば、以下は着ぐるみ専門会社の求人です。

保育士から工場に求人票4

この会社では、最初アシスタントとして着ぐるみ全般の作業を行い、将来は着ぐるみ作家として活躍できるように指導していきます。そのため、未経験者でも問題なく応募できるようになっています。

このように、服飾関係の仕事でありながら未経験で応募できる求人があります。とはいえ、初めての仕事で専門的な内容の業務となると不安になることがあります。そのときは、会社に連絡をしてどのような指導をしているか確認してみましょう。

保育士から工場に転職するときの志望動機

では、製造業への転職を目指して求人に応募する場合、どのようなポイントに注意して志望動機を書けばよいのでしょうか。

工場や製造業の現場で求められているのは、単純な作業にも熱心に取り組むことができ、かつ自分なりに作業をスピードアップさせたり無駄を省いたりといった作業効率化の工夫ができる人材が求められます。さらに、最後まで丁寧に仕事をやり遂げる誠実さを持った人材が優れています。

職場によっては「荷物を運ぶ、立ち仕事が多い」といったような職場なら体力も求められるでしょう。

保育士から製造業への転職では、経験不足がマイナスになると考えがちですが保育士として働いてきた中で、工場で生かせそうな経験やスキルをピックアップし、アピールすることで説得力のある志望動機を作ることができます。

具体的な志望動機の例は以下の通りです。

製造業の仕事は未経験ですが、目の前の作業に集中して取り組むことができ技術を磨くことで自分自身の成長にもつながる仕事であることに魅力を感じ、貴社の求人に応募させていただきました。

保育士の仕事は、子ども達の世話以外にも連絡帳の記入や工作の準備、イベント時の衣装や小道具の作成といった細かい作業も日常的に発生しミスなく丁寧に行うことが求められます。

このような一見単調に見える作業も、切る・貼るなど作業の種類ごとに分けて取り組んだり時間を決めて集中して取り組んだりといった工夫を行うことで効率的に仕事を進められるようになりました。

また、活発な子ども達と日々活動する中で培われた体力にも自信があり、体を動かすことの多い工場での仕事にも活かせると考えております。

単純作業にも自分なりの工夫を加えながら集中して取り組める力と体力を生かし、一日でも早く戦力になれるよう努めたいと思います。

このように、工場の仕事でも生かせそうな保育士の経験を具体的なエピソードを交えてアピールすることで、保育士という異業種からの転職であっても説得力ある志望動機となります。

ここで注意が必要なのが、志望動機に前職への不満を書かないようにするということです。給料の低さや労働環境への不満を理由に保育士から工場への転職を考える人もいるかもしれません。ただ、志望動機にこうしたネガティブな内容を入れ込んでしまうと、採用担当者に「不平不満が多い人」というイメージを抱かれかねません。

たとえネガティブな理由から転職を考えるのであっても、志望動機には「現在の仕事の経験を活かしながら、さらにステップアップしたい」という前向きな姿勢を打ち出すようにすることが大切です。

関連記事

まとめ

ここまで、保育士が製造業に転職する際のメリットや職種選びのポイントについて解説してきました。製造業はかつての「きつい肉体労働」というイメージではなく、給料面でも働き方の面でも非常にクリーンで快適な職場環境であることがおわかりいただけたかと思います。

ただ、製造業と一口に言ってもその業務内容は幅広く求められる人物像も少しずつ異なるため、作業内容をしっかりと理解し自分の性格や働き方の希望に合っているかを見極める必要があります。

また、未経験歓迎の求人であっても保育士という異業種から転職するにあたっては、今までの経験を製造業でどう生かせるのかという点を意識した志望動機を作成することが大切です。

さらに、専門的な知識を積極的に学び、未経験のことにも挑戦したいという前向きな姿勢をアピールすることで、担当者からの印象も良くなり、採用につながる可能性が高くなります。


工場・製造業に転職をするとき、ほとんどの人は転職サイトを活用します。転職サイトを利用しないで自分の力だけで求人を探すと、希望の条件を満たす求人を見つける作業のみならず、労働条件や年収の交渉・アポ取りなどさまざまな作業を自分でやらなければなりません。

そこで、転職サイトに登録することで、求人の紹介から労働条件や年収交渉だけでなく、履歴書や職務経歴書などの書類関係を送付するなど面倒な事務作業まで行ってくれます。

ただし、転職サイトによって特徴が違います。例えば「工場・製造業の転職に強い」「全国各地に強いのか、それとも都市部に強いのか」「20代・第二新卒が得意」「40歳以上でも転職を成功させてくれる」などの違いがあります。

転職を成功させるには、これらの違いを理解した上で転職サイトを活用しなければなりません。そこで、以下のページでそれぞれの転職サイトの特徴を解説しています。これらを理解することで、転職での失敗を防ぐことができます。