工場・製造業というと、24時間動いているイメージを持たれている人が多くいます。実際に多くの製造業の工場で昼も夜も稼働させる勤務体制をとっているところがあります。
そのような製造業・工場では、夜に働く夜勤の仕事があります。夜勤は生活リズムが崩れたり、睡眠が十分に取れなかったりして大変です。さらには、憂鬱な状態が続くと鬱症状や吐き気をもよおし会社に行きたくないとなります。
そのため、夜勤が合わない人には夜の仕事はストレスが溜まり辛くて体を壊してしまいます。そうしたとき、夜勤なしの工場・製造業に転職して、生活リズムを整えて健康を取り戻したいと思うのです。
それでは、どのように考えて夜勤なしの工場・製造業を探せばよいのでしょうか。ここでは、夜勤なしの工場・製造業で気を付けなければならない勤務形態や給料について解説していきます。
もくじ
夜勤のない工場・製造業はある
工場・製造業には、昼間だけではなく夜中も働く夜勤がある場合があります。例えば、製鉄工場では高炉の火を一度止めると再稼働させるのに膨大な費用と日数が掛かります。そのため、24時間365日火を絶やすことなく工場を稼働させます。
その他には、単純に生産を上げるために稼働時間を増やす場合があります。この場合、「8:00~24:00」「8:00~翌5:00」など工場によって勤務時間が変わります。
また当然ながら、昼間だけでなく夜中も工場を稼働させる場合だと、昼間働く人と夜働く人に分かれて作業します。このように夜勤勤務のある工場では、夜勤手当やその他の手当などが付くため高収入を狙っている人に人気があります。
しかし、実際に働いてみると昼間に寝ることができず仕事中に眠り地獄に感じたり、不規則な生活なるため疲れが溜まりしんどい・死ぬほどつらいと感じたりします。そのため、夜勤のない工場・製造業に転職を考える人は多いです。
そうしたとき、どのような製造業で日勤の勤務を実現できるのか理解しましょう。
業種から夜勤のない製造業を選ぶ
まず、製造業・工場の中には夜勤のない業種があります。このとき、加工業では夜勤がない工場が多く存在します。具体的には、精密部品加工や金属製品加工などで夜勤がない工場が多いといえます。
機械加工で単品(一点もの)を加工する場合、一台の機械に対して技術者が一人ついて加工を行います。このような工場で夜の稼働をするとなると「技術者の確保」「深夜手当に加えて技術手当」など様々なデメリットがあるため昼間のみの勤務が多いといえます。
例えば、以下は埼玉にある鋳造品の加工を行う工場の求人です。
この工場では、鋳造製品についてNC旋盤を用いて加工する仕事をしています。このように、加工業などでは夜勤がない工場が多いといえます。
参考までに以下は、実際のNC旋盤になります。
さらに、以下が実際に加工を行っているところです。
このようにNC旋盤は、材料を高速回転させて専用の刃物を材料に押し当てて加工をする機械になります。このような機械の場合、プログラムの確認や刃物の確認をしながらになるため加工者が付きながら機械を動かします。
常に技術者が機械に付いていなければいけないため、このような場合に、昼間のみの勤務になるといえます。
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24時間体制の工場でも夜勤なしが可能
一方で、夜勤のある工場でも「夜勤勤務ではなく昼間の勤務が選べる工場求人」があります。通常、夜勤がある工場では、4直3交代や3直3交代などの勤務体制で行われることが多いです。これは、昼間の勤務と夜勤の勤務などを交代で作業する体制になります。
参考までに以下は、2直2交代制のシフト表の例です。
このように2直2交代制では、「夜勤」と「日勤」を1週間ごと交互に行うシフト体制になります。
しかし、昼専属(昼専従)などの昼間の勤務と夜の勤務が完全に分かれている工場であれば、夜勤なしが実現できます。
例えば、以下は神奈川にあるシリコン素材の製品を機械加工する工場の求人になります。
この工場では、AとBに勤務体制が分かれています。Aが「8:30~17:30の日勤のみの勤務」で、Bが「8:30~17:30と20:30~5:30を2週間ごと交代する勤務」になっています。
このとき、AとBの勤務体制から好きな方を選べるようになっています。そのため、夜勤勤務がある工場ではあるものの、問題なく日勤のみの仕事に就くことが可能です。
このようにして、交代制勤務や24時間体制の工場・製造業であっても日勤のみ求人を探すことができます。
夜勤のない製造業で働く場合、残業がある
ただ、夜勤がない工場・製造業で働く場合に注意しなければいけない点が「残業がある」ことです。夜勤がある場合、交替制の勤務体制であることが多いです。このとき、次の勤務の人が来るとその人と交代して帰ることができます。
しかし、交替制でない日勤勤務の場合、交代する人がいないためその日の予定生産数がもし定時までに終わらなかった場合には、残業して作業しなければならないことがあります。
また、工場によっては残業時間を含めて予定を立てる場合があります。その場合、求人票に月の予定残業時間が記載されているので確認することができます。
例えば、以下は千葉にある大型環境機械などを製造する工場の求人になります。
この工場では、「夜勤がなし」「交代制勤務なし」ではありますが、「平均の月残業時間は20時間ほど」になっています。この場合、月の勤務日数が20日だったときに、一日1時間程度の残業時間になります。
このように、事前に月に何時間残業を行う前提として予定が組まれていることがあります。そのため、求人票を確認するときは「夜勤なし」だけではなく、残業の有無と残業時間を一緒に確認するようにしましょう。
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夜勤なしの工場求人に応募するときの志望動機
それでは、実際に夜勤なしの工場・製造業に転職を希望する場合どのような志望動機にすればいいのでしょうか。これについては、まずはあなたがどのような製造業・工場に転職したいのか明確にする必要があります。
例えば、以下のような場合とします。
- 夜勤なし
- 年間休日110日以上
- 技術を身に着けたい
希望する条件を明確にすることで、どのような製造業・工場が適切なのか見えてきます。そこで、実際の求人票を見ながら、自己PR・志望動機を作るとよいでしょう。
例えば、先ほど記した「夜勤なし」「年間休日110日以上」「技術を身に着けたい」という希望がある場合、以下のような求人に申し込むようになります。
埼玉にあるNC旋盤製造を行う工場の求人になります。この工場では、8:00~17:00の日勤のみの業務で年間休日が112日になっています。さらに、高い技術力を持っているということで、自分自身も技術を盗み・学ぶことができます。
この場合、以下のような志望動機になります。
私は小さい頃から、モノづくりが大好きでした。そのため高校では工業高校に進学しました。そこで機械科を専攻し、機械に触れる機会が増えて機械に興味をもつようになりました。 前職では、パソコンの組立てラインで働いていました。そこで機械オペレーターの姿をみて、私も機械を操作する技術を身に着けたいという思いが強くなりました。御社ではNC旋盤のオペレーターを募集しているということで、興味があり応募させてもらいました。 また、小学校から高校までサッカーをやっていたので、体力には自信があり立ち仕事は問題なく対応できます。一日も早く技術を学び御社に微力ながら貢献したいと考えています。 |
このように、製造業では「モノづくりが好きである」ことを伝えると好印象を持たれます。また、自分の希望する「技術を身に着けたい」こともしっかりと伝えます。
しかし、1つ注意しなければいけないことがあり、「休日が110日以上ある(休日が多い)」ことをいってはいけません。この内容を伝えてしまうと、仕事に対する意欲が少ないと思われてしまいます。
先ほど記した内容にすることで、会社側が希望する内容になるため内定率が上がるといえます。
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夜勤なしは夜勤ありに比べ、給料が下がる
それでは夜勤なしの工場・製造業の場合、月収や年収はどのぐらいになるのでしょうか。夜勤勤務がある場合、労働基準法で22:00~5:00までの労働に対して、25%の割増賃金を支払はなければならないと決められています。
そのため、同じ会社で同じ業務を行ったとしても、夜勤勤務の給料よりも日勤勤務の給料の方が減ることを理解しなければなりません。
例えば、以下は埼玉にある乳製品を取り扱う会社の求人です。
この会社の給料形態を分かりやすく下にまとめました。
日勤 | 夜勤 | |
基本給 | 25万1000円 | 27万5000円 |
残業代 | 3万1000円(23時間分) | なし |
深夜手当 | なし | 5万円 |
資格手当 | 1万円 | 1万円 |
家族手当 | 1万円 | 1万5000円 |
合計 | 30万2000円 | 35万円 |
この表を見てわかるように、夜勤の月給が35万円なのに対して、日勤の月給は30万2000円になっています。しかも夜勤のほうが残業なしであり、日勤の方が安い給料になるとわかります。
これは、それほど夜勤の勤務が大変できついからです。そのため、日勤勤務を希望する場合そのことをしっかりと理解しておかなければなりません。
まとめ
ここまで、夜勤なしの工場・製造業を探し方や気を付けるべき勤務形態や給料について解説してきました。このとき加工業では、技術者の確保が難しかったり手当などの経費が多くなったりと会社にとってデメリットがあるため、日勤のみの勤務になることが多いです。
また、昼も夜も稼働する工場でも日勤専属の勤務シフトがある工場であれば夜勤なしが実現できます。しかし、日勤のみの勤務では残業があることを理解しましょう。
こうして、あなたが希望する求人を見つけたら履歴書に志望動機を記述しなければなりません。あなたがどのような製造業・工場に転職したいのか明確にして、実際の求人票を見ながら志望動機を作るようにしましょう。
こうしたことを理解したうえで、夜勤なしの工場・製造業に転職をして「昼間に働き、夜に寝る」といった人間らしい生活リズムに戻し、健康的に働きましょう。
工場・製造業に転職をするとき、ほとんどの人は転職サイトを活用します。転職サイトを利用しないで自分の力だけで求人を探すと、希望の条件を満たす求人を見つける作業のみならず、労働条件や年収の交渉・アポ取りなどさまざまな作業を自分でやらなければなりません。
そこで、転職サイトに登録することで、求人の紹介から労働条件や年収交渉だけでなく、履歴書や職務経歴書などの書類関係を送付するなど面倒な事務作業まで行ってくれます。
ただし、転職サイトによって特徴が違います。例えば「工場・製造業の転職に強い」「全国各地に強いのか、それとも都市部に強いのか」「20代・第二新卒が得意」「40歳以上でも転職を成功させてくれる」などの違いがあります。
転職を成功させるには、これらの違いを理解した上で転職サイトを活用しなければなりません。そこで、以下のページでそれぞれの転職サイトの特徴を解説しています。これらを理解することで、転職での失敗を防ぐことができます。