工場の開発のアイキャッチ

工場・製造業の仕事で新しい商品を生み出す開発部門の仕事は一からものづくりに携われる唯一の職種であるため、開発部門への転職を希望する人がたくさんいます。

ところが、業務内容が多いため自分にできるのか不安になったり、経験や知識・資格がないと転職できないのではないかと心配になったりする人がいます。しかし、経験や資格がなくても応募可能な求人があります。また、開発部門に転職する際の志望動機はどのように書けばいいのか気になる人がいます。

そこで、この記事では工場・製造業における開発部門の仕事内容や未経験の人でも応募できる求人、さらに志望動機の書き方についても解説していきます。

工場・製造業の開発の仕事内容

まず、工場・製造業での開発部門に転職する上で知っておきたいことが業務内容です。開発の仕事は一言で表すと新しい製品を生み出すことです。開発の難しさは図面によって異なり、初心者でもすぐに製品をつくれるようなシンプルな図面から、開発経験がないと読み取ることすらできない専門的な図面まであります。

また、開発の仕事で重要なことは図面を正しく読み取り、指定された工程通りに作業を進めることです。もし図面を無視して開発すれば不良品ができあがる原因になり、製品を購入したお客様からクレームが来たり企業のイメージダウンに繋がったりします。

さらに、実物をつくっている間に数多くの問題や修正すべき点が出てきます。そのため開発の仕事は粘り強い性格の人や、ダメ出しされても諦めない人に適しています。

例えば、開発の求人には以下のような求人があります。

工場の開発の求人票1

こちらは、東京にある各種部品製造を行っている工場の求人になります。仕事内容はロボティクスの技術を活用した製品開発や要素技術開発です。

ロボティクスとは、ロボット工学からスタートしたロボットに関連する研究全般のことです。製造業においてロボティクス技術が使われている例としては、電子機器や車体の組み立て作業をする組み立てロボットや、複数の部品をつなげる溶接ロボットが挙げられます。

また、開発職は製品ができる前段階のため設計職と混同しやすいが基本的に別々の職種になります。しかし、工場によっては設計開発として1つの職種にまとめていることがあります。その場合は商品の図面づくりから生産までの一連の流れを1つの職種で行うようになります。

なお開発をより細分化すると「新たな製品開発をする仕事」「最適な工程(プロセス)を探す仕事」「研究開発」の3つに大きく分けられます。

新しい製品を生み出す製品開発

まず、新しい製品を世の中に生み出す製品開発の仕事があります。製品開発の仕事では他の人が考え付かないような新しい技術を考えなければなりません。自分がつくった製品が世の中で使われることにやりがいを感じる一方、製品を生み出しても世の中で全く必要とされない場合もあります。

このように製品開発は企業の業績に関わる重要な職種なので、理系出身の人を優先して採用する場合があります。そのため気になる求人を見つけたら、まず応募条件が記載されているかどうかを確認しましょう。

なお製品開発の仕事では、開発している間にもさまざまな問題や修正すべき点が出てきます。そのため粘り強く製品開発の仕事に取り組み、上司からダメ出しされても諦めない姿勢が重要です。

例えば、以下は神奈川にあるプラスチック製品を製造している工場の求人になります。

工場の開発の求人票2

この工場の仕事内容は、プラスチック製品を製造するために新しい設備や部品を設計したり、プラスチックの新製品を開発したりすることです。また、この工場では求める人材に「経験者」「理系・機械工学系出身歓迎」と載せており、設計開発の知識がある人を優先的に採用していることがわかります。

ちなみに以下が、実際のプラスチック系(樹脂)部品の製品になります。

プラスチック系(樹脂)部品

上記求人では、このようなプラスチック製品の新製品を開発する業務になります。

最適な工程を構築するプロセス開発

次に、最適な生産工程を建築するためのプロセス開発の仕事があります。プロセス開発では実験や分析を繰り返すことで最も効率的な現場の生産ラインを見つけます。生産で使うための設備や装置を選んだり、電圧や温度などを調整したりするのもプロセス開発の仕事です。

プロセス開発では、数百通りある設備を組み合わせて分析しなければならないので困難を感じることがあります。しかしその分、実験や分析が成功して現場の生産ラインに適用されたときは大きなやりがいを感じます。

また、プロセス開発では工場の現場の人や生産技術の人などさまざまな部門の人とコミュニケーションを取りながら仕事をします。そのためプロセス開発は他人と話をするのが好きな人やチームで仕事するのが好きな人に向いています。

例えば、以下は東京にあるメッキ工場の求人になります。

工場の開発の求人票3

この工場の仕事内容は、その製品に適しためっきプロセスを開発することです。めっきとは、金や銀などの薄い層を他の金属やガラスの上にかぶせる表面処理のことです。めっきプロセスの開発は製品の強度や耐久性を高めるためにも重要になります。

なおこの工場では求人内容に「正社員」「学歴不問」と載せているため、文系出身の人やこれまで開発の勉強をしたことがない人でも正社員になれることがわかります。

学歴や経験が必要な研究開発

次に、研究開発の仕事があります。研究開発は基礎研究に近く、研究結果や技術をもとに新しい製品を作ります。企業によっては、研究部門と開発部門と分かれてそれぞれ専門分野のみ行うことがあります。しかし、多くの企業では研究部門と開発部門が一つにまとまっています。

研究開発の仕事では、結果がすぐにでないことがほとんどです。早くても数年、遅ければ数十年先ということもあります。

そのため、探究心をもって粘り強く続けられる人に向いているといえます。さらに、その分野に特化した専門的な知識が必要となるため学歴や経験が必要になります。

例えば、以下は神奈川にある医薬品の製造を行っている工場の求人です。

工場の開発の求人票4

このように医薬品の研究開発には、薬学か化学・化学工学・物理化学・生物学のいずれかを専攻しているか同等の知見を有する博士または修士が必要になっています。

なお高度な学歴や経験が必要になるため、当てはまる人以外、こうした基礎研究にも関わる製造業求人は避けるようにしましょう。

未経験でも開発部門に転職できるか?

次に工場・製造業の開発部門に転職を考える場合、理系大学出身の人や開発経験のある人しか転職できないイメージがあります。しかし工場・製造業の開発の仕事ではポテンシャル採用を行うことが多く、未経験でも開発部門に転職することが可能です。

このポテンシャル採用とは、これまでの仕事経験よりも、その人が開発担当としてふさわしい素質があるかどうかの将来性を判断して採用することです。

例えば開発部門の仕事において、現場の人とコミュニケーションを取ることや自分の商品を他人にうまくアピールすること、新しいアイディアを考えることは重要です。そのためコミュニケーション能力が高かったりアピール能力があったりする人は、開発経験がなくてもポテンシャル採用されています。

例えば、以下は埼玉にある放熱用部品を製造している工場の求人になります。

工場の開発の求人票5

この工場では、求人内容に「未経験者歓迎」「正社員」と載せており、これまでの勤務経験に関係なく開発担当として正社員になれることがわかります。また「学歴不問」「資格不問」となっているので、例えば高卒の人や資格がない人でも転職可能です。

なお、未経験で開発部門に転職したとしても経験を積むことで昇給や出世の可能性が考えられます。そのため開発部門の仕事に興味がある人は、未経験者歓迎の求人を見つけて積極的に応募しましょう。

開発部門に転職するときの志望動機

また開発部門に転職する場合、志望動機では「開発の仕事に対する熱意」と「入社後の抱負」を伝えることが大切です。開発の仕事に対する熱意では、なぜ開発の仕事をやりたいのか、どのようにあなたの力や経験を活かせるのか説明しましょう。

なお未経験の人は「開発の基礎知識について現在自分で学んでいる」などとやる気をアピールしましょう。企業の特徴を理解したうえで、その企業を選んだ理由を伝えるのもよいでしょう。

次に入社後の豊富では、転職後の自分の姿をイメージしながら自分が将来達成したいことを伝えます。説明が上手な人であれば3年後に新人教育係になることを目標にしたり、英語が得意な人は5年後に海外の開発部門で働くことを目標にしたりできます。

例えば、以下のような志望動機になります。

私が貴社の開発部門を志望する理由は、高齢者の支えとなる医療機器を開発したいからです。学生時代はボランティアで高齢者の家を訪問し、家電製品の使い方を教えていました。この活動により高齢者の役に立つ商品を開発したいと思うようになりました。

貴社は医療機器において海外でも高いシェアを誇っていることから、より多くの人の役に立てると考え貴社の開発部門を志望します。

また社交的な性格を活かし、入社後は会社の仲間と円滑にコミュニケーションを取りながら仕事ができると考えています。得意な英語を活かして、5年後には貴社の海外支社で開発に携わることが目標です。

志望動機をどのように書くか悩む人は多いですが、まずは開発部門に興味を持った理由を考えるとよいでしょう。なお、志望動機にうそを記入して転職を成功させても、転職後に自分の性格と合わず辞めたくなります。志望動機ではあなたの正直な思いを伝えましょう。

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まとめ

ここまで、工場・製造業の開発部門に転職するために知っておきたいことについて解説しました。転職を成功させるためには、まず工場・製造業の開発部門の仕事内容について理解しましょう。ポイントとしては開発の種類をしっかりと確認し、自分がどのように開発の仕事に貢献できるのかを考えることがあります。

開発部門への転職は、未経験の人や資格がない人でも可能なので積極的にチャレンジしましょう。このとき、未経験者歓迎や資格不要などと記載されている求人票に応募することになります。

なお、志望動機では開発の仕事に対する熱意と入社後の抱負をわかりやすく書くことが大切です。以上のことを踏まえて工場・製造業の開発部門に転職活動すれば転職活動がスムーズに進み、転職後も充実した毎日を送れます。


工場・製造業に転職をするとき、ほとんどの人は転職サイトを活用します。転職サイトを利用しないで自分の力だけで求人を探すと、希望の条件を満たす求人を見つける作業のみならず、労働条件や年収の交渉・アポ取りなどさまざまな作業を自分でやらなければなりません。

そこで、転職サイトに登録することで、求人の紹介から労働条件や年収交渉だけでなく、履歴書や職務経歴書などの書類関係を送付するなど面倒な事務作業まで行ってくれます。

ただし、転職サイトによって特徴が違います。例えば「工場・製造業の転職に強い」「全国各地に強いのか、それとも都市部に強いのか」「20代・第二新卒が得意」「40歳以上でも転職を成功させてくれる」などの違いがあります。

転職を成功させるには、これらの違いを理解した上で転職サイトを活用しなければなりません。そこで、以下のページでそれぞれの転職サイトの特徴を解説しています。これらを理解することで、転職での失敗を防ぐことができます。