残業なしの工場のアイキャッチ

工場で働きたい人の中には、残業なしで定時に帰れる求人を探している人もいます。仕事を頑張るというよりも、自分のプライベート時間を重視するタイプの人は残業なしの職場への転職を好みます。

特にお子さんがいる人や介護者がいる人など、事情によって残業なしの定時退社を希望する人は多いです。夕食を食べさせたり子供を迎えに行ったりなど、残業が遅くまで続くと日常生活に支障をきたしてしまうのです。

また、趣味を充実させたい人や将来のために副業をしたい人も多いです。そのため、定時で仕事を終わらせて寝るまでの時間をそうしたことにあてるのです。

ただ、何も考えずに残業なしの職場を探し、条件だけで転職しようとすると失敗します。本当の意味で転職を成功させるためには、「残業なしで定時に帰れる求人」の本質がどのようなものなのか確認しておく必要があります。

そこで、転職での失敗を避けるためにも、働くときに重要な「残業なしの求人の確認方法」について解説していきます。

正社員で残業なしの求人を探す

工場勤務は残業が多いイメージがあるが、「本当に定時で帰れる工場はあるのか?」と思われる人がいます。しかし、製造業・工場は意外と残業が少ないのです。

特に二交代制や三交代制であれば、定時になると次の担当者が出勤するため、引継ぎだけ済ませて交代できるので基本的に残業がありません。

例えば、以下は横浜にある工場から出された三交代制の中途採用の募集です。

残業なしの工場の求人票1

このように、三交代制で残業がないところが多く存在します。

しかし、残業はないが夜勤があると夜中の仕事になるので体力的にきつくなります。また、昼間に寝るため外がうるさかったり、カーテンを閉めても光がこぼれたりするので大変だったりします。

そのため、残業なしだけで求人を見るのではなく、勤務体制が日勤業務だけなのか夜勤もあるのかなどの内容も確認する必要があります。

交代制がなく、残業もない中途採用募集

そうしたとき、交代制以外で残業のない工場求人は存在するのでしょうか。これについてはいくつも存在します。例えば、生産管理の予定がしっかりしている会社が該当します。

こうした工場であれば、生産管理者が生産予定表を作成し、生産予定表に従って製品を生産するので、一日の生産台数、全体の作業時間、必要な人員数など細かく決められています。そのため、不要な残業がありません。

例えば、以下はある工場の生産管理表と個人別生産管理表です。

生産管理表

個人別生産管理表

このように、工程ごとに稼働時間や生産数が決められていて、個人ごとに勤務時間や生産数が決められています。また、このときに算定される生産数などは無理のない程度のものなので、機械が故障したなど、よほどのことがない限り残業はありません。

同じように考えると、システム管理が進んでいる会社は生産予定などをシステム化しているので、無駄な人件費を削減するため残業がありません。

他には、労働組合がある会社です。労働組合は社員の労働条件をよくする組織なので、社員が苦痛と思うような残業はさせません。

これらに共通しているのは大手企業です。また、その企業のグループ会社や下請け会社でも、大手企業のシステムの導入や雇用内容など、残業に関して同じの内容になります。

例えば、以下は大手フィルムメーカーのグループ会社の中途採用募集です。

残業なしの工場の求人票2

このように、大手企業のグループ会社や大手企業で残業がない中途採用募集は多いです。

中小企業で定時退社できる求人を探す

そうしたとき、大手企業以外で定時退社できる工場求人は存在するのでしょうか。これについてもいくつも存在します。

工場の場合、さまざまな部署があります。当然ながら部署ごと作業内容が異なり、時期や受注量、作業量によって忙しさが違います。そのため、同じ会社の中でも残業がある部署と残業がない部署に分かれます。

そうした中でも、以下のような中途採用募集だと定時退社になりやすいです。

検査部門は基本、定時退社となる

製造業の中でも、検査の部署は比較的残業がありません。例えば、以下は金属加工業の検査の求人です。

残業なしの工場の求人票3

検査の仕事で残業がないのは、検査の仕事自体が売り上げに直結しないからです。会社としては検査に人件費などの経費をなるべくかけたくありません。そのため、検査員は定時退社が基本になります。

このとき、検査では女性でも無理なく働けるような軽作業が多いため、女性ばかりで男性が働きにくいイメージを持たれるかもしれません。ただ、実際はそうでもなく多くの男性が活躍している部署です。

そのため、検査の仕事でも性別は関係ないので、残業なしの求人を探すときは検査がおすすめです。

忙しいイメージのオペレーター業務でも定時で帰れる

また、ものづくりが好きでNC旋盤やマシニングセンタのような機械オペレーターに興味のある人がいます。しかし、残業が多いイメージがあって諦めてしまうケースがあります。

そうしたとき、求人情報の勤務形態や勤務時間などの詳細内容に注意しながら探せば、残業なしの機械加工のオペレーターの仕事を発見できます。

例えば、以下は新潟にある金属加工業の中途採用募集です。

残業なしの工場の求人票4

このように、会社方針によってオペレーターの仕事でも残業がない会社が存在します。他にも、勤務形態や作業内容によって残業がないオペレーターの仕事がたくさんあります。

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生産管理や品質管理でも定時退社できる

他には、生産管理や品質管理などの管理職も会社によって残業がありません。しかし、会社によっては管理の仕事に人材をあまり置かない会社があります。そうした会社に入社してしまうと一人に対する仕事量が多くなるので、大変で残業をしなければいけません。

そうした会社を避け、残業がない管理の仕事に就くには、求人情報の仕事内容をしっかりと確認する必要があります。また、求人サイトの担当者に相談するのも有効です。

例えば、生産管理の場合、販売計画等から生産計画を立てます。それに基づいて購買管理、在庫管理、生産計画、工程管理、作業員の割り当てや工程管理、などを行う業務です。

そのため、これら全てを一からやるとなると大変です。ただ、すでにテンプレートが用意されていて、数字の書き込みやエクセル入力などの業務であれば、難しくなく早く終わるので定時退社を実現できます。

例えば、以下は千葉にある工場の中途採用募集です。

残業なしの工場の求人票5

このように、生産管理の仕事で残業がない会社はたくさんあります。しかし、仕事内容が具体的に書かれていないことがあるので、その場合は、転職サイトの担当者に確認しましょう。

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残業なしの求人は年収が下がる

なお、残業なしで定時に帰れる工場の場合、たくさんプライベートの時間を確保できます。

ただ、もちろんデメリットもあります。それは、年収(給料)が下がることです。勤務時間が少なくなるので普通のことですが、このことをしっかりと理解できていない人がいます。

例えば、「定時退社で休日をしっかりと確保したいが、年収は下げたくない」という考えをする人がいます。こうした自分に都合のよい考え方をすると、確実に転職で失敗してしまいます。そうではなく、年収が下がっても問題ないことを受け入れましょう。

経営者にとってみれば、残業してくれるという人の方がありがたいです。当然、そうした人の給料を優遇します。

・ブラック企業が存在することも考慮する

なお、残業なしの求人では必ず注意すべき点があります。それは、残業なしにも関わらず残業代込みの月収を求人情報に記載している会社が存在するということです。

例えば、以下は「月収38万以上・残業なし」にも関わらず、詳細内容を確認してみると、「20日勤務+残業40h+深夜残業40h」になっています。

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残業なしの工場の求人票7

あまり良い求人とはいえませんが、実際にこうした製造業・工場が存在するのも事実です。求人票に書かれた条件だけで転職すると失敗しやすいのは、こうした工場がいくつも存在するからなのです。

派遣社員も検討してもいい

なお、より厳密に残業なしを実現したい場合、派遣社員という働き方も検討してみてください。

製造業・工場で働くとなると、正社員やパート・アルバイトがメインです。ただ、それと同じくらい派遣社員として活躍している人もいます。派遣社員の場合、明確に労働時間が決められています。そのため、決められた時間が来れば作業途中であったとしても仕事を切り上げることができます。

もちろん、これには職場の雰囲気なども重要ですし、派遣会社と求人先の企業と労働条件について、よく確認しておく必要もあります。

また、派遣社員であると給料が高めであるため、たとえ残業なしであったとしても高年収を実現できるというメリットがあります。高い年収を希望しながら定時退社を実現したい場合、派遣社員が選択肢に入ります。

転職サイトの活用は必須である

なお、残業なしの工場に転職をしたいとき、ほとんどの工場勤務者が転職サイトを活用します。

「正社員で残業ない製造業を探す」「中小企業の残業がない会社を見つけて応募する」など、自ら求人を開拓するのは現実的ではありません。また、自分だけで探そうとすると「残業なしにも関わらず、残業代込みの求人に応募し、ブラック企業に就職してしまった」などのケースがどうしても発生しやすくなります。

そのため、残業がなく優良な会社の求人情報を持っている転職サイトを活用する必要があります。

また、転職サイトによって保有する求人案件は異なります。さらには、転職エージェントの担当者の力量も異なります。こうした実情があるため、3社以上の転職サイトに登録し、実際に使ってみながら優れた提案を示してくれる転職サイトを残すのが基本です。

そのようにして、転職エージェントを活用すれば、あなたが希望する地域の残業なしの求人をいくつも発見することができます。

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定時で帰れる工場・製造業へ転職する

定時で帰りたい場合、まずは今の会社に相談してみるのが基本です。中小企業や町工場などでは無理なことがほとんどであるものの、それなりの規模の会社であれば聞き入れてくれる可能性があります。しかし、それでもダメだったときは転職を検討しましょう。

残業なしで定時に帰れる職場としては、主に交代制の会社や管理のしっかりしている大手企業などがあります。また、派遣社員も基本的に残業がありません。

ただ、一般的に定時退社を希望する場合は年収が下がります。派遣社員だと高年収を維持できますが、企業の正社員の場合、給料は減ることを認識しましょう。

このような事実があることを認識したうえで、残業なしの求人へ応募してみてください。もちろんブラック企業を避けるためにしっかりとした下調べが必要ですが、正しく求人を選べば問題なく残業なしを実現することができます。


工場・製造業に転職をするとき、ほとんどの人は転職サイトを活用します。転職サイトを利用しないで自分の力だけで求人を探すと、希望の条件を満たす求人を見つける作業のみならず、労働条件や年収の交渉・アポ取りなどさまざまな作業を自分でやらなければなりません。

そこで、転職サイトに登録することで、求人の紹介から労働条件や年収交渉だけでなく、履歴書や職務経歴書などの書類関係を送付するなど面倒な事務作業まで行ってくれます。

ただし、転職サイトによって特徴が違います。例えば「工場・製造業の転職に強い」「全国各地に強いのか、それとも都市部に強いのか」「20代・第二新卒が得意」「40歳以上でも転職を成功させてくれる」などの違いがあります。

転職を成功させるには、これらの違いを理解した上で転職サイトを活用しなければなりません。そこで、以下のページでそれぞれの転職サイトの特徴を解説しています。これらを理解することで、転職での失敗を防ぐことができます。