将来安泰と言われてきた公務員ですが、精神的な苦痛やストレスを多く感じたり・激務が重なったりと公務員から転職したいと考えている人がいます。
なかには、黙々と作業をするイメージのある、工場・製造業への転職を考えている方がいます。しかし、工場・製造業への転職を考えたとき、「未経験だけど転職可能?」「年齢制限はあるの?」「給与や年収は?」など、わからないことが多いとさまざまな不安や心配が生じます。
そこで、今回は公務員から工場・製造業に転職するメリットや給与や年収など、転職する際に知っておきたいことについてや、転職で後悔しないためにできることについて合わせてご紹介していきます。
もくじ
公務員から未経験で工場・製造業に転職するメリット
まず、公務員から未経験で転職を考えたとき、工場・製造業への転職はメリットがたくさんあります。
なぜかというと、工場・製造業では未経験での求人も多く、異業種からの転職も可能であるからです。さらに、人間関係のストレスが少ない事、残業が少なくプライベートな時間も確保できること、仕事内容が多岐にわたるため未経験からでも活躍できる場が広いことなど、たくさんのメリットがあります。
そもそも、公務員の転職理由として「業務量が多く残業時間が長い」「人間関係の悩みがる」「やりがいを感じない」などの声が多くあります。しかし、工場・製造業へ転職することで、転職理由として上がる不満や悩みを改善できる可能性があるのです。
そこで、ここでは、公務員から未経験で工場・製造業に転職するメリットについてご紹介します。
- 未経験でも工場・製造業で働ける
まず、工場・製造業の求人を見てみると経験者を求めている求人だけではなく、未経験者でも応募できる求人が数多くあります。
公務員といっても、役所勤めの方から消防・警察・自衛隊・裁判官などさまざまな職種があります。工場・製造業の仕事が未経験であっても公務員からの転職であれば、いままでの経験を活かせる求人に巡り合うことも可能であると考えられます。
なぜなら、工場・製造業の仕事のなかには、専門知識や経験が必要な職種もありますが、募集の多い製造スタッフの仕事はマニュアル化されている場合が多く、誰でも作業ができるような環境が整えられているからです。
例えば、以下は、埼玉県の製造・管理・倉庫作業の求人です。
こちらの求人の仕事内容は、備品や現場の整理やピッキングや仕分けなど、専門知識やスキルなどが不要で、業界未経験の方でもできるような作業となっています。
ちなみに、求めている人材は以下のようになります。
業界未経験の方歓迎となっているので、公務員からの転職で、工場・製造業で働いた経験がない方でも応募することが可能な求人です。具体的に、「労働条件を今より良くしたい」「妥協のない転職活動にしたい」方も求めているため、転職者を多く受け入れている企業であると考えられます。
さらに、「工場勤務 未経験」「製造業 未経験」などのワードで求人を検索してみると、上記のような未経験者でも歓迎している工場・製造業の求人が多数あります。
そのため、未経験であるという理由で、工場・製造業への転職を諦める必要はありません。
人間関係のストレスが少ない
次に、公務員から転職を考える理由として挙げられるのが「人間関係のストレス」です。
工場・製造業での勤務の場合、チームごとに作業を行いますが、基本的には黙々と作業を進める時間が多くあります。そのため、他の人と密にコミュニケーションをとらなくてもよい作業なので、公務員の仕事と比べると人間関係のストレスを感じにくいでしょう。
例えば、以下は、埼玉県の工場スタッフの求人です。
こちらの求人では、モクモクと作業をする仕事です。このように、モクモクコツコツと進める作業であれば、人間関係のストレスが少なく働くことが可能です。単純作業であれば、専門知識も不要です。すぐになれる作業が中心とのことですので安心して作業をおこなうことができます。
つまり、人間関係のストレスで悩みがある方には、工場勤務はメリットであるといえるでしょう。
プライベートな時間が確保できる
さらに、残業が少なく定時に退社できる工場・製造業の求人もあります。工場勤務と聞くと、夜勤や残業が多そうなどとイメージする方もいると思いますが、実は、休日がしっかりとあり、残業が少ない求人も少なくありません。
プライベートな時間が確保できるため、「勤務時間を短くしたい」「残業がいやだ」と考えている方にとっては、おすすめの転職先です。
また、交代制の工場であれば、業務が残っていた場合でも次の担当者に引き継ぎをすることができるため、残業が少なくなるなどの特徴があります。
なおかつ、工場では生産量などがあらかじめ決められており、無理なスケジュールは組まないよう計画されています。
例えば、以下は、神奈川県の送風機の専門メーカーの求人です。
こちらの求人では、残業なしの土日休みとなっています。社員が心身ともに健康に働けるように、「残業をしない・させない」をモットーにされている会社で、未経験者も歓迎しています。
残業が多くプライベートな時間を確保しにくい公務員と比べると、「残業時間を減らしたい」「休みはしっかりと休みたい」と考える人にとってはおすすめの求人です。
なお、未経験であっても、工場・製造業の仕事であれば、残業が少なめ、土日祝休みの工場もありますので、プライベートな時間を大切にしたいという方にとって、工場・製造業への転職はメリットであるといえるでしょう。
一方で、繁忙期などの忙しい時期は残業が増えてしまったり、町工場や人手不足な工場では残業が多く発生したりする場合などもありますので、転職をする際は、残業についてもよく確認しましょう。
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- 仕事内容が多岐にわたるため活躍できる場が広がる
また、工場・製造業での作業はひとつではありません。企業によって仕事内容は変わりますし、作業も多岐にわたるため、公務員からの転職であっても活躍できる場が広いです。
- ライン作業
- 製品検査
- ピッキング
- 塗装
- 事務
- 開発 研究
など、工場・製造業の業務内容は大変幅広いです。未経験からスタートし、経験を積むことで、よりやりがいの感じる仕事につくことや、やってみたいと感じる仕事に挑戦するチャンスも生まれます。
公務員から工場・製造業への転職では年齢は関係あるの?
さて、転職を考えたときに気になるのが、年齢です。求人を見てみると、年齢制限をしている求人もありますが、年齢不問で40代・50代も活躍中などの記載がある求人もあります。
実際に、40代・50代でも転職を成功させている人もたくさんいるので、年齢が高いという理由で転職ができないというわけではありません。
そのうえ、工場・製造業への転職に関しては、年齢や性別問わず多くの求人があるのが特徴です。
- 年齢や性別問わず多くの求人がある
まず、工場・製造業では、積極的に未経験者を採用している傾向があります。社会に必要な物を生み出している工場ですが、どの工場も人手不足な現状です。
例えば、以下は、千葉県の部品工場の求人です。
こちらの求人では、未経験者大歓迎、年齢不問の記載があり、さまざまな仕事がある工場・製造業では、未経験者も大歓迎されています。
確かに、経験や専門知識が豊富な人材を求めるほうが企業にとって即戦力となります。研究や開発、設備管理などの専門知識が必要な業務では未経験者にとってはハードルが高く、経験者を優遇する傾向にあるため、40代・50代の未経験者の転職となると厳しい場合があるのも事実です。
しかし、ライン作業・検品作業・ピッキング作業の仕事であれば、力仕事となる場合もありますが、求人も豊富にあり、年齢や性別問わず、未経験者も募集しています。40代・50代であっても工場・製造業への転職のチャンスはあります。
未経験で転職した場合の給与や年収は?
さらに、未経験での、工場・製造業へ転職で気になるのが給与や年収です。転職するからには、給与アップを目指したいという方もいるでしょう。
総務省「令和3年地方公務員給与実態調査」によると、2021年の地方公務員の平均給与は月給35万9,895円です。月給だけをみてみると高いですが、業務量が多く「これだけ働いてもこのお給料か」と感じている人も少なくない現状があります。
一方、工場・製造業では、働く企業・地域差によって異なりますが、未経験の正社員で働く場合でも高い給与を得られる求人もあります。
例えば、以下は埼玉県の工場内作業の求人です。
こちらの求人では、未経験でも月給21万~42万となっています。企業によっては、未経験であっても、公務員の時と変わらない給与を得られる求人があることがわかりました。
なにより、工場・製造業では長く工場に勤務し経験を積み、昇給をすることで高い収入を期待することができます。
また、夜勤ありの勤務は日勤のみの勤務より、深夜手当などの手当が付く分、給与が高くなる傾向があります。高収入を得たいと考えている方は、夜勤がある工場への転職も検討するのもよいでしょう。
公務員から工場・製造業への転職で後悔しないためにできること
実際に、公務員から民間企業へ転職した人の中には、「転職に失敗した」「転職しなければよかった」と後悔している人もいます。そうならないためにも、転職したい気持ちを明確にしておくことが必要です。
「公務員の時のほうがマシだった。」「公務員に戻りたい」などといったことにならないためにも、「なぜ転職したいのか」「転職後どのような働き方、人間関係を築きたいのか」など、など自分の気持ちや考えを再確認していきましょう。
以上のことを踏まえて、ここでは、公務員から工場・製造業への転職で後悔しないためにできることについて3つ紹介します。
転職理由を明確化させる
1つ目の後悔しないためにできることは「転職理由を明確化させる」です。
転職理由が「人間関係が複雑」「同じ仕事の繰り返しでつまらない」「公務員の仕事に飽きてしまった」「なんとなく」など、はっきりとした理由がない場合後悔する可能性が非常に高いです。さまざまな思いから、「公務員を辞めたい!」という気持ちがあるのはわかります。
しかし、「公務員の仕事をとにかくやめたい!!」という気持ちが先行し、よく調べず考えずに勢いで転職活動を進めてしまうと、「転職に失敗した」と後悔するケースもあります。
そうならないために
- なぜ辞めたいと感じるのか
- 具体的にどのような点を改善したいのか
- 転職をすることで、悩みをどのように解決できるのか
- 転職先でどのような自分になりたいのか
など、転職をすることで、何が得られるのかをしっかりと考え、転職理由をはっきりとさせることが大切です。そのために、ノートに書きだして気持ちを整理してみるのもよいです。
「給与をあげたい」「残業をなくしたい」「手に職をつけたい」「スキルアップしたい」などの転職理由を明確化したら、解決できる求人を探していきましょう。
例えば、以下は、埼玉県の工場内の鉄骨作業の求人です。
こちらの求人は、「手に職をつけたい」「スキルアップしたい」と考える方の悩みを解決できる求人です。というのは、クレーンの資格取得をするための指導や補助があるからです。
ちなみに、以下が実際に資格を取得すると扱えるようになるクレーンになります。
さらに、未経験の方も募集しているので、公務員から工場・製造業への転職で実務経験がない方でも挑戦できる求人です。
経験を積み資格取得することで、仕事の幅が広がるため、スキルアップを目指して転職をする方は、このような資格の取得を支援している工場に転職するのもよいでしょう。
また、「残業をなくしたい」と考える方は、残業なしの求人を探していきましょう。
例えば、以下は、千葉県のリネン類の工場スタッフの求人です。
こちらの求人では、残業ほぼなし、完全週休2日制となっているためプライベートな時間を大切にできる働き方ができる求人です。
このように、転職理由を明確化することで、あなたの望むより働きやすい働き方ができる求人を探すことが可能になります。
あなたの「大切にしている価値観」「転職先に一番に求めること」また、自分にある知識やスキルを再確認し、後悔しないために転職理由を明確化させましょう。
失敗を避けるために情報収集をする
2つ目の後悔しないためにできることは「失敗を避けるために情報収集をする」です。
いざ、転職先で働きだすと、「思っていた仕事内容と違った」「労働条件が合わなかった」などのズレが生じることで、転職が失敗だった感じることがあります。
なぜなら、転職先の情報が不十分であったため、このような状態が生まれてしまうのです。その結果、「また転職したい」と転職を繰り返してしまう恐れがあります。
例えば、給与アップ目的で転職する場合は、希望していた給与・年収を下回らないように給与フォーカスして求人を探しましょう。
また、経験を積むことで将来的に責任ある役職に就き給与を上げることが可能な求人もあります。将来的なことも踏まえて求人を探すのがおすすめです。
転職失敗を避けるためには、求人票に書いてある情報だけではなく、会社のホームページを確認したり、いろいろな求人と見比べたり、面接の際に疑問点などを質問したりするなど、情報収集を行いましょう。
また、異業種への転職となると、より慎重に進めなければなりません。転職活動にあてる時間を作り情報収集し、焦らずに転職を進めましょう。
ちなみに、3月や9月は社内体制を整えるために中途採用の求人が多くでる時期です。新しくでる求人情報をチェックしながら、希望の労働条件や給与などもしっかりと確認してください。
ご自身の得意、不得意を把握し仕事を探す
3つ目の後悔しないためにできることとして、「ご自身の得意、不得意を把握して仕事を探す」ことです。
コツコツと黙々作業が得意な方がいる一方、身体を動かす体力仕事が得意な方もいます。人との関りでストレスを感じやすい人は、一人作業の多い仕事がおすすめです。
例えば、以下は、千葉県の工場内作業の求人です。
こちらの求人では、工場内で、モクモク・コツコツ作業の仕分けや梱包・組み立て・ピッキングなどの作業を行います。コツコツと作業するのが好きな方やモノを作る・直すのが好きな方などにおすすめの求人です。単純作業なため、ストレスなく働くことができます。
一方、モノづくりに興味があり、黙々と作業をするより、同僚と楽しく工場で働きたいと考える方におすすめの求人もあります。
例えば、以下は千葉県の工場内作業員の求人です。
こちらの求人は金属加工オペレーターの求人で未経験の方も応募でき、コツコツ作業するというよりは、同僚と協力しながら働く仕事です。
ちなみに以下は実際に金属を加工する際に使用されるNC旋盤という機械になります。
工場・製造業の仕事と言っても幅広い業務内容がありますので、そのなかでご自身にあった仕事をみつけ転職を成功させるためには、「何が得意で、何が不得意なのか」「自分にはどんな強みがあるのか」などと、自分自身としっかりと向き合う時間を大切にしていきましょう。
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まとめ
ここまで、公務員から工場・製造業への転職する際に知っておきたいことについてや、転職で後悔しないためにできることについてご紹介してきました。
未経験であっても工場・製造業へ転職することは可能です。さらに、年齢制限も設けていない求人が多いため、年齢に関わらず40代・50代であっても諦めずに転職活動をすることができます。
公務員から、工場・製造業への転職はメリットもあり、労働条件を良くしたい方にとっては工場・製造業への転職は大変おすすめです。
しかし、転職理由を明確化せずに転職を進めることで「転職に失敗した」などと、転職自体を後悔する羽目になることがあります。そうならないためにも、しっかりと自分自身と向き合い自己分析をおこない、転職先の情報収集をすることが大切です。
以上のことを踏まえて、公務員から工場・製造業への転職を進めていきましょう。よく考え転職活動を進めることで、転職を成功に導き転職後も充実して働くことができます。
工場・製造業に転職をするとき、ほとんどの人は転職サイトを活用します。転職サイトを利用しないで自分の力だけで求人を探すと、希望の条件を満たす求人を見つける作業のみならず、労働条件や年収の交渉・アポ取りなどさまざまな作業を自分でやらなければなりません。
そこで、転職サイトに登録することで、求人の紹介から労働条件や年収交渉だけでなく、履歴書や職務経歴書などの書類関係を送付するなど面倒な事務作業まで行ってくれます。
ただし、転職サイトによって特徴が違います。例えば「工場・製造業の転職に強い」「全国各地に強いのか、それとも都市部に強いのか」「20代・第二新卒が得意」「40歳以上でも転職を成功させてくれる」などの違いがあります。
転職を成功させるには、これらの違いを理解した上で転職サイトを活用しなければなりません。そこで、以下のページでそれぞれの転職サイトの特徴を解説しています。これらを理解することで、転職での失敗を防ぐことができます。