フォークリフトのオペレーターに転職したいと考えたとき、最初に思い浮かべる勤務先が工場・製造業です。
しかし、実際の工場・製造業ではフォークリフトを使ってどのような仕事をしているのか気になります。またフォークリフトの仕事について、「楽」という人もいれば「きつい」という人もいるので、フォークリフトの仕事ってどうなのか?自分にできるのか不安になります。
他には、「今より良い給料がもらえるのか」「免許は必要なのか」なども気になります。
そこで、この記事では工場・製造業のフォークリフトオペレーターになるために知っておきたいことを解説していきます。
もくじ
運転が基本的な仕事になるフォークリフト
まず、フォークリフトのオペレーターに転職を考えたとき知っておきたいのが、工場・製造業でのフォークリフトの仕事内容です。工場では、たくさんの製品や部品などが入出荷されます。そのため、全てを人の手で行うのは時間や人件費が掛かってしまいます。なにより肉体的にとても大変です。
このときに役に立つのがフォークリフトです。フォークリフトを使えば一度にたくさんの荷物を運ぶことが可能になり、「作業人数を削減」「作業効率の向上」ができます。そして、フォークリフトの主な仕事内容が以下の2つになります。
- トラックやコンテナなどに荷物を積み下ろしする
- 荷物の移動をする
当然ですが、車両前方にあるツメ(フォーク)に荷物を載せて運搬する機械になるので、荷物を別の場所に移動するのが仕事になります。
例えば、以下は神奈川にある会社の求人です。
この会社では商品の「格納」や「トラックに積み込む」をする仕事になっています。そして、フォークリフトの求人でよいところが「未経験者でもOK」であったり、力仕事がないため「女性も活躍中」であったりなどの求人が多数あります。
フォークリフトを使わない業務がある
そして、注意しなければいけないのが、工場によってフォークリフト以外の仕事を行わなければいけないことがあります。どういうことかというと、作業分担がしっかりと分かれていない工場の場合、パレットに荷物を載せる作業や荷物のラッピングなどの作業をフォークリフトオペレーターが行うことがあります。
例えば、以下は東京にある会社の求人です。
このように、この工場では荷物の運搬・取り出し・格納などの作業でフォークリフトを使用して行います。それらのフォークリフトを使った作業が70~80%で、それ以外の20~30%は「ピッキング」「検品」「梱包」「出荷」などの各種作業になります。
このような求人の場合、運転以外の業務を行うことになるので多少の体力が必要になってきます。ただ、1日中フォークリフトに乗っていると飽きてしまうという人であれば、このような手作業があることによって息抜きになるのでよい求人といえるでしょう。
工場・製造業のフォークリフトのいいところ!
次に工場・製造業のフォークリフト求人にはどのような魅力があるでしょうか。フォークリフトの仕事というと一日中運転をしているから楽そうだったり、給料がいいイメージがあったりします。このとき、フォークリフトの魅力は主に以下の3つになります。
- 未経験やブランクありでもはじめられる
- 力仕事ではない
- 経験を積み給料をアップさせる
それぞれ求人のどのようなところに注意すればよいか見ていきましょう。
免許が無くてもはじめられる
まず、フォークリフトは免許がなくては乗れません。そして、免許や資格が必要な仕事の場合「経験者のみ」や「実務経験2年以上」などの求人になることがあります。
しかし、多くのフォークリフトの求人で「未経験者でも大丈夫」という内容のものになります。また、「免許がなくてもOK」の募集が存在します。
これは、会社で「資格取得支援」を行っているためであり、入社後に会社に通いながら免許が取れて、さらには会社で講習費を負担してくれるのです。
例えば、以下は神奈川にある大手石油メーカーの求人です。
このように、「資格支援制度を使って会社負担で入社後に取得可能」になっているので、免許がなくても問題なく応募できます。もちろん未経験でいいです。
力に自信が無くても問題ない
次に、体力に自信がない方であれば、業務分担がしっかり分かれていてフォークリフトの運転のみの求人に募集しましょう。そうすれば、力や体力に自信のない人でも工場・製造業のフォークリフト求人に転職が可能です。
例えば、以下は埼玉にある会社の求人です。
このような求人であれば、「ピッキング」や「検品」「梱包」などの作業がないため一日中フォークリフトの運転業務になります。そのため、重たい荷物を持つなどのきつい作業がないため体力に自信がない方や女性の方でも問題なく応募できます。
経験を積んで能力・給料アップにつながる
他には、フォークリフトの仕事は免許が必要な仕事になります。そのため、需要があったり資格手当や技術手当などの手当があったりします。その結果、検品や梱包・出荷などの作業よりも給料がよくなります。
例えば、以下は埼玉にある食用油を扱う工場の求人になります。
この工場では、フォークリフトの免許を持ってない人の給料が250,122円なのに対して、免許を持っている人の給料は270,243円と約20,000円多いことが分かります。
また、経験や能力によっても給料幅が変わってくるので、経験を積んで運転がうまくなればもっと給料を上げることが可能になります。
人によってはきつい?注意点はどこ?
ここまでの内容だけ見ると、フォークリフトの仕事はいいことばかりに見えます。しかし、人によってはきついと感じることがあるためどのような点に気を付ければよいか説明していきます。
まず、注意しなければいけないポイントは以下の3つになります。
- 単純作業で飽きる
- 暑さや寒さがつらい
- 残業がきつい
それでは、一つ一つ見ていきます。
慣れてくると単純作業に感じる
まず、フォークリフトの仕事は運転業務になるため、最初はレバー操作やハンドル操作などが難しく戸惑いますが、しばらくすると操作にも慣れて上手く・早くできると面白くなってきます。しかし、さらに時間がたつと同じことの繰り返しになるため飽きてくる人がいます。
この場合、色々なことに向上心を持つことが大切になってきます。どういうことかというと、フォークリフトの仕事は運転だけではないということです。
荷物の流れやトラックの出入りをみながら、どのような作業順番で行えば一番効率がいいか瞬時に判断したり、出荷などの担当者の手を止めないようにすることやトラックの運転手を待たせないようにするなど、他の人のことも考えながら作業したりする必要があります。
このようなことを考えることによって、スキルアップにつながったり自分の仕事に誇りをもって業務にあたることができたりします。
「暑さ」や「寒さ」がつらい
次に注意したいのが、フォークリフトの作業場は屋外や解放された屋内などが多いです。そのため、外の温度とほぼ同じなので、「夏は暑く」「冬は寒い」環境になります。
また、冷凍倉庫などになると、マイナス20~30度にもなることがあるので非常に厳しい環境だといえます。
例えば、以下は東京にある冷凍食品を取り扱う工場の求人です。
このように冷凍庫でのフォークリフトの求人では、防寒具をきて作業しますが、それでも寒くて大変な業務になります。また、このような求人の場合、具体的な数字(気温など)表示がないことが多いので、応募前に必ず転職サイトの担当者か求人先に連絡して詳細内容を確認しましょう。
そして、そのような工場を避けたい場合は以下のような求人に募集します。
この工場は、埼玉にある大手コンビニチェーンの商品を取り扱う工場の求人になります。このように、取り扱う商品が常温商品の場合、冷凍商品のように極端に寒い環境はありません。しかし、季節ごとの温度変化はあるので、室内のように快適な作業現場とはなりません。
場合によっては残業になる
他には、残業がある場合があります。残業については、フォークリフトの仕事に関わらず何の仕事でもあり得ることですが、やはり定時以上の仕事はきついことがあります。
例えば、以下はフォークリフトのいいところで解説した埼玉にある食用油を扱う工場の求人になります。
この工場の場合、給料の中に固定残業の60hが含まれています。そのため、月に60hの残業を行うことになります。また、この工場では休日が「日曜日」と「会社指定日」になっているので月の出勤日を22日と仮定すると、60h÷22日=2.73時間になります。よって、一日の残業時間は約2.5~3時間程度だとわかります。
一日の勤務時間は10.5~11時間なので、体力的にきつい人がでてきます。その場合は、残業なしの求人に応募するようにします。例えば、以下は神奈川にある会社の求人です。
このように残業なしの求人があるので、こういった求人に応募することによって、体力的にきつくなくプライベートも充実させることができます。
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フォークリフトの仕事に向いている人はどんな人?
ここまでの内容を理解すると、フォークリフトの仕事の良いところや悪いことが何となく分かったと思います。しかし、実際に自分に出来るか・向いているか気になります。そこで、次にフォークリフトの仕事に向いているい人の特徴について解説していきます。
まず、フォークリフトの仕事に向いている人は以下のような人です。
- 運転操作が好き・得意
- 丁寧で正確な作業ができる
それぞれ、どういった人か見ていきましょう。
運転がメインの仕事なので運転操作が好き・得意
フォークリフトは運転を行う仕事なので、運転操作が好きな人や得意な人は向いています。
また、基本的に丸一日運転するので、長時間の運転でも苦にならない人も向いているといえます。そのため、トラックの運転手などが転職するときにフォークリフトの仕事を選ぶことがあります。
例えば、以下はカウンターバランスフォークリフトと呼ばれるフォークリフトです。
このフォークリフトはフォーク(つめ)が車両の前方にあり、車両の後方に重り(カウンターウエイト)がある最も一般的なフォークリフトです。カウンターフォークの運転は座りながら作業になるので体力的にも楽で操縦も車に似ているところがあるので、割と抵抗なく始められる仕事になります。
丁寧で安全に作業を行える人は優れる
次に丁寧な仕事ができる人が向いているといえます。荷物の載せ下ろしのときに適当に置いてはぐちゃぐちゃになってしまうので隣の荷物に揃えて置くことを心掛けたり、商品や設備・トラックなどが破損しないように気を付けたり丁寧で正確な仕事ができる人ほど向いているといえます。
例えば、以下はリーチフォークリフトと呼ばれるフォークリフトです。
このフォークリフトは立ったまま作業するのが特徴です。また、止まったままの状態で、フォーク(つめ)を前後に動かすことができたり、小回りがきくため狭いところや室内などでよく使用されたりといった利点も挙げられます。
そのため、丁寧な作業ができる方であればリーチフォークの運転にも向いているといえるでしょう。
また、フォークリフトの作業場はたくさんの人やトラックなどが行き来するため、常に周囲に気を配り安全に配慮しなければいけません。
参考までに以下は厚生労働省が発表した2019年の起因物別労働災害発生状況です。
起因物 | 労働災害数 | 死亡事故数 |
フォークリフト | 2145件 | 20件 |
このように労働災害数(事故件数)が2145件で死亡事故が20件もあります。「はさまれ・巻き込み」事故や「墜落・転落」事故など事故内容は様々ありますが、危険な仕事であることがわかります。
そのため、常に周囲への安全確認など集中して作業しなければいけません。そういった周りに気を配ることができて安全第一で行える人が向いている・一番重要になってきます。
- 予定や段取り組みも仕事のうち
なお、フォークリフトの仕事は運転がメインなりますが、運転をしながらさまざまなことを考えなければなりません。例えば、「入ってくるトラックを待たせないためにどう作業すればいいのか」など全体の流れを考えて、一番作業効率がいい順番に作業できる人が「仕事ができる人」といえるでしょう。
そのため、段取りや予定を組むのが得意な人もフォークリフトの仕事に向いているといえるでしょう。
フォークリフトの志望動機・自己PRの注意点!
ただ、実際に自分の希望する求人があったときに履歴書を書かなくてはなりません。このとき、履歴書の中の一番重要な項目が志望動機・自己PRの欄になります。
ここでは、あなたのこれまでの経験が「フォークリフトの仕事にどう活かせるか」「転職先の工場・製造業に対してどう貢献できるか」を記載してください。
また、簡単な自分のプロフィールやエピソードを織り交ぜながら書くことで、より説得力のある文章に仕上がります。例えば、以下のような志望動機になります。
私は小さい頃から、乗り物やラジコンを操作するのが大好きでした。そのため高校を卒業後にトラック運転手の仕事に就きました。 そこで、ある工場に荷物を取りに行ったときに、フォークリフトの操縦を行っている方が段取りよく、スピーディーに作業している姿を見てフォークリフトの仕事に興味が沸くようになりました。 御社ではフォークリフト業務の求人を募っているということで、私自身が飛躍できるチャンスだと思い応募しました。またトラックの運転を行っていたので、長時間の運転が苦になりません。また、運転には自信があるので、少しでも早く戦力になれるよう努力したいと考えています。 |
このようにすれば、「運転が好きで自分が飛躍できる」ことだけでなく、「仕事に対して誠実に向き合っている」ことを伝えることができます。
また、「長時間の運転が苦にならない」ことにより、転職先の工場・製造業に対して少しでも早く貢献できることを伝えます。
こうした文章を書くことによって、転職先の担当者によい印象を与えることができます。また、面接でも同様に伝えるといいです。
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まとめ
フォークリフトの仕事は基本的に運転の仕事になるため、体力的には楽な業務になります。しかし、求人の中には手作業を行なう場合があるのでそうしたときは多少の体力が必要になってきます。
他にもフォークリフトの仕事にはいいところや悪いことがあるため、しっかりと求人情報や仕事内容を確認する必要があります。
また、運転が好きな人や丁寧な仕事ができる人に向いている仕事になります。なにより危険が伴う仕事であるため、安全を一番に考えて作業できる人がいいです。
以上のことを考え求人を探し、自分の希望する求人がみつかったときには人事担当者にいい印象を与える志望動機を書かなくてはなりません。
そのためには、自分の経験がフォークリフトの仕事にどう活かせるか・転職先の工場・製造業にどう貢献できるかを書く必要があります。そのようにして志望動機の書き方を押さえ、転職を有利に進めましょう。
工場・製造業に転職をするとき、ほとんどの人は転職サイトを活用します。転職サイトを利用しないで自分の力だけで求人を探すと、希望の条件を満たす求人を見つける作業のみならず、労働条件や年収の交渉・アポ取りなどさまざまな作業を自分でやらなければなりません。
そこで、転職サイトに登録することで、求人の紹介から労働条件や年収交渉だけでなく、履歴書や職務経歴書などの書類関係を送付するなど面倒な事務作業まで行ってくれます。
ただし、転職サイトによって特徴が違います。例えば「工場・製造業の転職に強い」「全国各地に強いのか、それとも都市部に強いのか」「20代・第二新卒が得意」「40歳以上でも転職を成功させてくれる」などの違いがあります。
転職を成功させるには、これらの違いを理解した上で転職サイトを活用しなければなりません。そこで、以下のページでそれぞれの転職サイトの特徴を解説しています。これらを理解することで、転職での失敗を防ぐことができます。