工場の正社員のアイキャッチ

工場・製造業に転職するとき、気になるものとして仕事内容や平均年収があります。どのような仕事で、どれくらいの平均年収なのか理解することにより、自分の置かれている状況を客観的に確認することができます。

ただ、工場勤務の平均年収とはいっても仕事内容によって月収は大きく変わってきます。当然、軽作業や検査などでは給料が低くなり、技術職や管理職などでは収入は高くなります。さらには、日勤か夜勤かでも平均年収は異なります。

こうしたことから、実際のところ工場・製造業ではどれくらいの平均年収になるのかについて、状況に分けて考えなければいけません。そこで、仕事内容・勤務形態別で確認していきます。

工場の正社員の仕事内容を知る

まず気になるものとして、工場にはどのような業務があるのでしょうか。自分にあった職種はなにか、自分には向いていない職種はなにかを確認していきましょう。

このとき製造業では、大きく以下の4つにわけられます。

  • ライン作業
  • 検査
  • 倉庫作業
  • 機械加工

どのようになっているのかについて、具体的に確認していきます。

ライン作業の仕事内容

工場の仕事で一番最初にイメージするのがライン作業ではないでしょうか。では、ライン作業とはどのような仕事なのでしょうか。

ライン作業とは、ベルトコンベアーやクレーンなどで運ばれてくる製品や品物を順番に加工したり組み立てたりする作業です。

例えば、以下は食品加工工場のベルトコンベヤーです。

食品加工工場のベルトコンベヤー

ライン作業でつくられる製品はたくさんありますが、製品によって作業の内容が大きく変わります。例えば電化製品などの場合は、「ネジやボルトを締めたりる」「半田ごてで電気の線をつなげる」「シールを張る」などします。

また、食品関係の場合は、お弁当におかずを詰めたり、野菜などを大きさや品質で仕分けする作業があります。

これら全てのライン作業に共通していることは、同じ作業の繰り返しなので単純作業であるということです。また、マニュアルや指導方法が確立されているので仕事を覚えるのに時間が掛かりません。

そのため、新しい職場で働くときに「仕事を覚えるまでが大変」というストレスがありません。またライン作業なら、素早く作業を覚えられるので早い段階で一人前の従業員として活躍することができます。

例えば、以下は埼玉にある化粧品会社のライン作業の求人です。

工場の正社員の求人票1

このように、空容器を補充したり、キャップを閉めたりする簡単な業務になるので、覚える仕事内容は少ないです。

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軽作業が多い検査の仕事内容

他には、検査の仕事があります。しかし検査と一言でいっても、その工場で扱う製品によって検査方法が異なります。例えば、測定器具を使用して寸法を測る検査や傷や汚れなどがないか確認する外観検査などがあります。

その中でも代表的な検査が以下になります。

  • 目視検査
  • 外観検査
  • 測定検査

こうした仕事内容はどうなっているのでしょうか。

品質保証のための目視検査

まず、品質保証を目的とした「目視検査」があります。目視検査とは、製品の中に不良品や異物がないか目視で確認して、不適合品があれば取り除く仕事です。不良品や異物が混入すると企業にとって大きな損失につながるため、全数検査が基本です。

目視検査は食品加工工場や金属加工業など様々な分野で行われる方法です。例えば、以下は東京にあるスマホ用フィルムを取り扱う会社の求人です。

工場の正社員の求人票2

この仕事では、最終的に完成した製品の目視検査を行う業務になります。目で見て良いもの・悪いものを分ける仕事なので大変ではありません。しかし、最終工程になるので検査漏れをしないよう注意する必要があります。

目視検査に似た外観検査

目視検査と似たものに「外観検査」があります。外観検査は製品の外観面にキズや打痕、汚れなどの不具合がないかを見つける作業です。外観検査も目視検査と同様に品質保証が目的です。

目視検査と外観検査の違いとしては、目視検査は製品の中に不良品や異物がないか目視で確認して、不適合品があれば取り除く仕事です。一方の外観検査は製品の外観面にキズや打痕、汚れなどがないかを見つける仕事です。

また、食品加工工場や金属加工業など非常に多くの業種で外観検査が実施されます。例えば、以下は東京にあるチーズ加工業の外観検査の求人です。

工場の正社員の求人票3

この仕事では、材料管理の工程や製品を梱包する工程での外観検査を行う業務になります。

測定器を使用して行う測定検査

また、金属加工業などで行われる測定検査があります。目視で検査するのではなく、専用の測定器を使用して長さや高さ・深さなどを測定して「良いもの・悪いものに分ける仕事」です。

使う測定器に関しては、取り扱う製品によって異なりますが、金属加工業で主に使われているものとしてノギスやマイクロメーターなどがあります。また、より細かいもの測定する場合は顕微鏡や三次元測定器などを用いります。

どの測定具も普段では見慣れず、使い慣れないものばかりなので、転職時は心配になる方がいます。ただ、すぐに慣れるので心配はいりません。また、検査の仕事は基本的に座り仕事なので体力的にも大変ではありません。

例えば、以下は神奈川にある部品加工業の検査求人です。

工場の正社員の求人票4

このように、専用の測定道具を使って検査する業務があります。最初は慣れない作業になりますが、難しい仕事内容はないので、比較的誰でも行える業務です。

倉庫の業務はピッキングや検品・フォークリフトなどがある

その他には倉庫業務があります。倉庫業務とは、製造業や流通業界の倉庫内で商品の入庫業務や出庫業務などを行う仕事です。

このうち、入庫業務は、入荷した商品を検品(商品の名前や個数があっているかをチェックすること)して、倉庫内の保管場所への移動する仕事です。このとき、重たいものや大きいもの運ぶのに使われる機械がフォークリフトです。

例えば、以下が実際のフォークリフトです。

一方、出荷業務はピッキング(注文された商品を保管場所から取り揃えて箱に詰める作業)や検品、梱包などを行う仕事です。

これらの業務を行う場合、分担してそれぞれの専属の作業を行うことが多いです。しかし、規模の小さな倉庫の場合は全ての業務を同じ作業員が行うこともあります。そのため、倉庫業務の求人へ応募する際には倉庫の規模を調査し「出荷業務だけなのか、あるいは全ての業務を行うのか」などを確認する必要があります。

例えば、以下は埼玉にある仕分け作業の求人です。

工場の正社員の求人票5

この求人の場合は、スポンジ製品の仕分け作業だけを専門に行う業務になります。

倉庫作業というと、たいへんなイメージを持たれる方も多いですが、このように軽作業で40~50代の人が活躍している工場も存在します。

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機械オペレーターの仕事は幅が広い

他にはマシンオペレーター(機械オペレーター)の仕事があります。その名の通り、機械を操作する人のことです。扱う機械や業務内容、勤務形態などは働く会社によって違います。

また、マシンオペレーターという言葉は広い範囲で使われています。例えば、ライン作業や材料をセットしてボタンを押すだけの簡単なものから、クレーンやバックホーなどの重機を操作するものまで全てマシンオペレーターと呼ばれます。

その中でも、工場で頻繁に使われている機械はプレス機やワイヤー、マシニングセンタ、研磨機などがあります。ここでは、加工工場で主に使われている切削加工機について説明していきます。

切削加工には、大きく2つに分けて「原料を固定して、工具を回転させて加工する転削加工」と「原料を回転させて、固定した工具あてて加工する旋削加工」があります。

転削加工の機械の主としてマシニングセンタがあります。例えば、以下が実際のマシニングセンタです。

マシニングセンタ

一方、旋削加工の機械の主としてNC旋盤があります。例えば、以下が実際のNC旋盤です。

NC旋盤

切削加工機の仕事内容は、まず注文された図面を確認して加工方法・加工手順を考えます。その後、加工で使う刃物の選定を行います。次に、プログラミングしていきます。

例えば、以下が実際のEIA・ISOプログラムの画面です。

EIA・ISOプログラム

そうして実際に入力した情報に沿って、材料を加工していきます。完成したら、実際に加工した製品が図面通りのものになっているかについて、測定器を使って確認していきます。

ここまで完了したら、後工程や検査に製品を回して終わりになります。仕事が終わったら、最初の図面確認に戻って同じ作業を繰り返します。また、多品種少量生産型の工場の場合、図面が全て違うので大変な反面、やりがいがあり、作業内容が違うので飽きずに仕事ができます。

例えば、以下は大阪にある加工工場のNC旋盤とマシニングセンタを取り扱う求人です。

工場の正社員の求人票6

このように、一品一様物の加工を行う場合、一人の加工者がプログラム作成から段取り・加工まで行うようになります。

・単純作業の機械オペレーター求人

また、材料をセットしてボタンを押すだけの作業の場合、単純な作業のため簡単ではあるけど飽きやすいです。そのため、同じことをコツコツとやることが好きな人などに向いています。

例えば、以下も機械オペレーターの求人です。

工場の正社員の求人票7

このように、材料をセットしてスタートボタンを押すだけの作業になるので、誰でも容易に仕事ができます。

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工場の勤務形態で重要な日勤や夜勤

このように、正社員として働くときの仕事内容を理解したあと、次に確認するべきは勤務形態になります。

工場の勤務形態については大きく分けて2種類あります。1つは常日勤と呼ばれるものです。これは勤務時間が昼間と決まっている勤務形態です(日勤のみの勤務)。

もう1つは交代制、交代勤務、シフト勤務と呼ばれるものです。どれも同じ内容で、日勤や夜勤など様々な勤務時間に分かれている勤務形態です。

この2つの勤務形態が具体的にどのようなものなのか例を挙げて説明していきます。

常日勤は、例えば通常8:00~17:00です。一般企業で働くときと同じように工場勤務するようになります。

一方で交代制は様々なシフトがありますが、ここでは3直3交代制を例に上げてみます。3直3交代制の場合、以下のようになります。

3直3交代制のシフト表

このように、3班に分かれてローテーションを組みます。そのため、ある週は日勤であるものの、次の週は深夜勤になり、さらに翌々週は準夜勤になります。このローテーションを繰り返します。

勤務時間の例は以下のようになります。

  • 日勤:8:00~17:00
  • 準夜勤:16:00~25:00
  • 深夜勤:24:00~9:00

さらに、図で表すと以下のようになります。

3直3交代制の勤務時間

工場では機械の稼働率を上げるために24時間体制をとっているところもあります。その場合、夜勤も必要になります。

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工場の月給・年収・ボーナスってどのくらい?

それでは、製造業・工場で働く場合の収入はどれくらいになるのでしょうか。事前に給与相場を理解していなければ、新卒就職や中途採用での転職をするにしても悪い条件での入社を承諾してしまう可能性があります。

以下は厚生労働省が発表している製造業の平均年収です。

製造業の平均年収

出典:厚生労働省「賃金構造基本統計調査」

製造業の年収は産業全体からみてもほぼ平均的な年収です。しかし、製造業にはたくさんの職種があるため収入の上下が幅広く、平均年収はあくまで参考程度で見ておく必要があります。

例えば、以下は滋賀にある工場の求人です。

工場の正社員の求人票8

このような求人の場合、小物ガラス製品の外観検査を座りながらする作業なので、難しい作業やたいへんな作業はありません。しかし、その分だけ給料が安くなってしまいます。

また以下も、工場の正社員の求人です。

工場の正社員の求人票9

この求人は、工場で使われる機械の点検やメンテナンスを行う設備保全の仕事です。そのため、専門的な知識や技術が必要になる仕事なので、給料が高くなります。

このように、同じ製造業でも大きな差がでます。そのため、求人情報を見るときは自分のやりたい仕事内容と年収をしっかりと確認する必要があります。

工場 の正社員で働くときの 志望動機

それでは、実際に工場・製造業への転職・就職を希望する場合はどのような志望動機にすればいいのでしょうか。これについては、まずはあなたの希望を明確にするようにしましょう。

どのような職場へ転職したいのかについて、自分の希望を明らかにする必要があります。例えば、以下のようになります。

  • 単純に給料がいい
  • 派遣ではなく、正社員として長く働きたい
  • ものづくりが好き

希望条件を明確にすれば、どのような工場が適切なのか見えてきます。その後、実際の求人票を確認しながら履歴書・面接での志望動機を作るようにしましょう。

・給料がいい工場の例

まず、工場求人で高収入を実現するためには、実際の求人を見なければいけません。例えばしっかりとした技術を学んでプロフェッショナルになって高収入を目指したいとします。この場合、以下のような求人へ申し込むようになります。

工場の正社員の求人票10

この会社は神奈川にある機械加工を行う会社です。NC旋盤にしろマシニングセンタにしろ、どちらも技術が必要な仕事になります。そこで、この場合以下のような志望動機になります。

私は子供の頃から機械いじりが大好きで、身近にあった時計、ラジオ、などを分解しては中の構造を調べて親に叱られていました。

高校も工業高校の機械科を卒業し、加工工場でNC旋盤を基礎から学び、数値制御旋盤作業の3級をとりました。現在は2級を目指して勉強中です。

機械に携わることを前提に、しっかりと技術を学んで身に付けられる地元企業への就業を希望していたところ、御社の工場が目に留まりました。

NC旋盤作業者としての自分の知識や技術がきっと御社でお役に立てると思います。

・正社員として長く働きたいこのように、「いかに機械が好きか」「なぜ、そこの会社にしたのか」「企業にどんなプラス」があるかを書くことが重要です。そのため、いくら給料がいいからといっても、志望動機で高収入に触れてはいけません。

ただ、正社員として働きたいけど、体力的に大変だったり、残業が多くて自分の時間が作れなかったりすると、長く続けられるか心配になります。そのような場合、以下のような求人へ申し込むようになります。

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この会社では、さまざまな職種の業務があって、希望に合わせて自分に合った求人をみつけられます。この場合、以下のような志望動機になります。

私は子供の頃から図工や工作などが好きで成績も良く、今でもプラモデルや日曜大工など作ることが好きで続けています。

ものづくりに携わることを前提に、長く働ける企業への就職を希望していたところ、御社の提示されている条件が自身の希望する条件と合い応募しました。

また、集中力に自信があり、コツコツと作業するのが得意なため、御社でお役に立てると思います。

そのため、「ものづくりが好きなこと」「会社の条件と合っていること」「企業の役に立てること」ぐらいの内容を述べるようにしましょう。この会社のように「無理なく長く続けられてプライベートや家族との時間を大切に働ける」とはっきり書かれている場合、企業としてもある程度プライベートを重視している人が来ることを予測しているので、そこまで詳しい内容を書かなくても大丈夫です。

このように2つの事例を述べましたが、いずれにしても求人票や企業の方針を確認し志望動機を述べるようにしましょう。

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工場へ正社員として就職・転職するなら転職サイトを活用しよう

なお、工場・製造業に正社員として就職・転職することを考えるとき、自分一人だけの力で最適な年収や仕事内容・勤務体制などを探すのは現実的ではありません。また、年収や勤務条件の交渉を自分でするのも大変です。

そのため、多くの会社の求人情報を持っている転職サイト(転職エージェント)を活用する必要があります。

また、転職サイトによって保有する求人案件は異なります。さらには、転職エージェントの担当者の力量も異なります。こうした実情があるため、3社以上の転職サイトに登録し、実際に使ってみながら優れた提案を示してくれる転職サイトを残すのが基本です。

こうした専門サイトへ登録すれば多くの求人を抱えているだけでなく、プロが条件面の交渉をしてくれるので満足いく転職を実現できるようになります。

そこで正社員として勤務するときの希望条件を詳細に伝え、工場求人の中から募集を探すといいです。

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工場の正社員の仕事内容・勤務形態を理解し、求人に応募する

工場・製造業の業務には、大きく以下の4つにわけられます。

  • ライン作業
  • 検査
  • 倉庫作業
  • 機械加工

それぞれについてメリット・デメリットがあり、作業内容も大きく異なります。そのため、どのような違いがあるのか理解したうえで職種を検討しましょう。

例えば、覚えるのが不得意で同じ作業を繰り返し行う業務がいい人であれば、ライン作業が向いています。しかし、やりがいに関しては少し物足りないので、そのよう場合は機械加工のようにものづくりを一から自分の手で行える業務が合っています。

さらに、工場の勤務形態については大きく「常日勤」「交代制・交代勤務・シフト勤務」の2種類あります。

常日勤は、勤務時間が昼間で日勤のみの勤務形態です。もう1つの交代制・交代勤務・シフト勤務は、どれも同じ内容で日勤や夜勤など様々な勤務時間に分かれている勤務形態です。

こうした違いがあることを理解したうえで、工場の正社員としてどのような働き方を実現したいのか考えるようにしましょう。その後、複数の転職サイトを利用するなどして中途採用の求人を紹介してもらい、加工工場や倉庫に採用(内定)をもらって働くだけになります。


工場・製造業に転職をするとき、ほとんどの人は転職サイトを活用します。転職サイトを利用しないで自分の力だけで求人を探すと、希望の条件を満たす求人を見つける作業のみならず、労働条件や年収の交渉・アポ取りなどさまざまな作業を自分でやらなければなりません。

そこで、転職サイトに登録することで、求人の紹介から労働条件や年収交渉だけでなく、履歴書や職務経歴書などの書類関係を送付するなど面倒な事務作業まで行ってくれます。

ただし、転職サイトによって特徴が違います。例えば「工場・製造業の転職に強い」「全国各地に強いのか、それとも都市部に強いのか」「20代・第二新卒が得意」「40歳以上でも転職を成功させてくれる」などの違いがあります。

転職を成功させるには、これらの違いを理解した上で転職サイトを活用しなければなりません。そこで、以下のページでそれぞれの転職サイトの特徴を解説しています。これらを理解することで、転職での失敗を防ぐことができます。