工場・製造業のソフトウェア設計へ転職を考えている方の中には、「残業を減らしたい」「上流工程の仕事に携わりたい」と考える方がいます。
しかし、ソフトウェア設計の仕事について知らずに転職活動を進めてしまうと、「担当業務が理想と違った」「残業が想像以上に多かった」などとミスマッチを起こし転職を後悔してしまうことも少なくありません。
また、知識や経験・資格がなければソフトウェア設計へ転職はできないのではないかと心配で転職を躊躇してしまう方もいます。
そこで、この記事では求人情報を用いながら、工場・製造業におけるソフトウェア設計に転職するために知っておきたい仕事内容や資格・年収や給与についての情報を紹介します。
もくじ
工場・製造業のソフトウェア設計の仕事内容
まず、工場・製造業のソフトウェア設計の仕事内容について紹介します。家電やパソコン、スマートフォン、自動車など生活に身近なものから、工場・製造業で使用している機械まで、これらを動かすためにソフトウェアがあります。
そのため、ソフトウェア設計といっても働く企業や工場・製造業の規模、製造品により仕事内容は異なります。工場・製造業のソフトウェア設計の仕事は、その工場で製造している製造品のソフトウェア設計を行ったり、組込・制御ソフトウェア設計を行ったり、工場環境を改良するために工場の生産設備のソフトウェア設計を行ったりと、さまざまです。
基本的には、業務の効率化や、製品を使いやすくするためにどのような機能を組み込ませるのかなどの設計をし、基本設計・詳細設計、2段階の設計書を作成します。
例えば、以下は、埼玉県の空調設備のソフトウェア設計の求人です。
こちらの求人の業務内容は、生産している空調設備の仕様を検討、詳細設計を行うだけではなく、他部署との折衝業務も行います。ITの知識・設計スキル・プログラミングスキル・マネジメントスキルも求められるでしょう。
また、例えば、以下は神奈川県のソフトウェア設計の求人です。
こちらの求人は、生産設備・検査設備の製作についての画像処理のソフトウェアの設計、設備でのデバッグが業務内容となっています。
こちらの求人のように、工場内の生産設備のソフトウェア設計を行っている求人もあります。
仕事内容は求人広告によって異なるため、工場内の生産設備のソフトウェア設計を行いたい場合は、「工場 生産設備 ソフトウェア設計」などのキーワードで検索すると生産設備に関する求人広告が見つかります。
ソフトウェア設計の残業時間は？
さて、「設計」と聞くと、過酷なイメージから残業が当たり前という印象を持つ方も少なくないのではないでしょうか。実際に、残業が多いという声もあります。
なぜかというと、ソフトウェア設計で残業が多くなってしまう理由として、厳しい納期に間に合わせるために残業や休日出勤が余儀なくされる場合などが挙げられます。
また、ソフトウェア開発に関わる人手が不足していることも、残業が多くなってしまう理由のひとつです。そのうえ、実務経験やスキルが豊富な人に仕事が集中したり、特定の人しか行えない作業があったりするため、残業をしてでも設計を終わらせなければならない状況が生じてしまいます。
しかし、ソフトウェア設計への転職を目指すにあたって、「残業を減らしたい」「プライベートな時間を確保したい」という目的がある方がいます。
本来、残業が多いと言われるソフトウェア設計の仕事ですが、中には残業時間が短い求人もあります。
それは、労働環境が整っている会社です。このような工場では、社員のストレスを取り除き、心身共に健康であることで生産性が向上することにもつながると考えているため、無理な残業などがありません。
例えば、以下は、神奈川県の設計器のソフトウェア設計の求人です。
こちらの求人では、年間休日121日、残業月13時間程度とプライベートの時間を確保できる魅力的な就業環境となっています。そのうえ、年収が600万円～900万円と高収入が見込めます。
残業を減らしたいと考える方は、このような求人に応募していきましょう。まずは、転職後にご自身がどのような働き方をしたいのかを明確にすることでマッチした求人を探すことができるため、転職の目的を明確化させましょう。
ちなみに、常に求人広告が出ていたり、社員の人数が少なかったり、未経験者歓迎を強調している場合は、人手不足の可能性があります。そういった企業では残業が多くなる傾向もありますので、注意が必要です。
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ソフトウェア「設計」と「開発」の違い
ところで、ソフトウェア「設計」と「開発」の違いについてご存じでしょうか？ソフトウェア開発の中で設計と開発の工程は欠かせません。
そもそも、お客様が困っている課題について解決を図るためにソフトウェア開発がスタートします。
ソフトウェア開発の主な流れとしては、以下のようになります。
- 要件定義
- 設計
- 開発
- ユーザーテスト
- 納品
- 保守・運用
このようなプロセスがあり、ソフトウェアの設計と開発は厳密にいえば仕事内容が異なります。ここでは、具体的に「設計」と「開発」の違いについて紹介します。
- 設計とは？
まず、設計についてです。設計は、製品の設計書・具体的な開発工程を記した仕様書を作る仕事です。
ソフトウェアの仕様や全体像を決定し、問題解決や品質を保つために必要な計画を行う工程で、高品質で効率よく開発を行うためには正しく記載された設計書が必要となります。そのため、設計工程は大変重要で、開発者に確実に情報伝達を行うため正しく記載された設計書を作成しなければなりません。
というのは、設計者と開発者が異なる場合、認識が食い違うと不具合を作る原因になる可能性があるためです。
例えば、以下は、東京都のソフトウェア設計の求人です。
こちらの求人の業務内容は、システム・ソフトウェア設計担当として、基本設計・評価・改良設計を行ったり、顧客のニーズをヒヤリングしたり、協力会社に的確な指示を行うなどの記載があります。
設計を行うにあたって、顧客から真のニーズを感じ取りそれを具現化できる方を求めており、設計としてIT全般の知識だけではなく、相手のニーズを引き出し、自分の意見を正しく伝えるためのコミュニケーションスキルも必要になってくるでしょう。
- 開発とは？
次に開発についてです。開発は、設計書・仕様書を基にプログラミング言語を用いてプログラミングを行う仕事です。プログラマーと呼ばれることもあります。
開発の工程では、設計書・仕様書を理解できる専門性の高いスキルが求められます。さらに、開発担当者は、設計担当者の意図を正確に理解し、かつチームで開発を円滑に進めるためにコミュニケーションスキルも必要です。
しかしながら、製品としてリリースされるまですべてのプロセスが「ソフトウェア開発」に含まれるため、企業によっては、「設計」も「開発」も両方の役割を担うことも多く、担当領域は曖昧となっている場合もあります。
本来なら異なる工程を担うため、「設計」と「開発」では仕事内容に違いはあるのですが、企業によっては設計と開発を行う人を統合して「ソフトウェアエンジニア」として採用することもあります。
例えば、以下は、神奈川県のソフトウェアシステムエンジニアの求人です。
こちらの求人では、製品の提案～システム開発全般までが業務内容となっており、ソフトウェアシステムエンジニアとしての業務を行います。
このように、「設計」「開発」それぞれが担う領域を分けるのではなく、ソフトウェアエンジニアとしてどちらの業務も行うような求人もあります。
ソフトウェア設計に必要な資格は？
つぎにソフトウェア設計に必要な資格についてです。ソフトウェア設計の仕事をする上で必要な資格があるのか気になる方もいるのではないでしょうか？
エンジニアに関する資格が数多くある中で、必須資格があるのか？それとも、実務経験やスキルが重視されるのか？わからないことがあると転職を躊躇してしまうこともあると思います。
そこで、ここではソフトウェア設計と資格の関係について紹介します。
取得していると役立つ資格
まず、ソフトウェア設計として働く上で、特別に必要な資格はありません。資格を保有していない設計者もいます。しかし、資格を取得していることで、知識があることを客観的に示せたり、学習意欲を評価されキャリアアップに繋がったりと、さまざまなメリットがるのも事実です。
転職の際は、取得資格よりも実務経験を重視される傾向がありますが、資格を取得が、採用・昇進・昇給の条件になっている企業もあります。
ここでは、ソフトウェア設計へ転職する時に取得していると役立つ資格について紹介します。
【基本情報技術者試験・応用情報技術者試験】
役立つ資格の一つ目が、「基本情報技術者試験・応用情報技術者試験」です。基本情報技術者試験を取得していることで、ITに必要な基本的な知識が備わっている証明になります。
さらに、応用情報技術者試験に合格するとITに関する応用的な知識と技能が備わっている証明になり、システム開発の場面で知識を役立てることができます。
例えば、以下は神奈川県の総合真空メーカーのソフトウェア設計職の求人です。
こちらの求人では、歓迎条件の欄に「基本情報技術者試験・応用情報技術者」の記載があります。このように、資格を取得していることで採用に有利になる場合もありますので、資格保有を強みとして転職を進めることもできます。
また、キャリアパスとしてメーカーなどでは、資格取得が、採用・昇進・昇給条件としている所や、取得者に対して資格手当や報奨金を出している企業も少なくありません。そのため、取得しているとメリットあると言えるでしょう。
【各種プログラミング言語の資格】
役立つ資格の二つ目が「各種プログラミング言語の資格」です。ソフトウェア設計の仕事では、プログラミングスキルも必要です。ソフトウェアが動くようにプログラミン言語を用いて開発を進めソフトウェアを完成させていくため、プログラミング言語の知識があることは大変強みとなります。
しかし、プログラミング言語は多数あり、企業によっては言語が指定されている場合などもあり、働く環境によって使用されている言語が異なります。
そこで、使用率の高いプログラミング言語(JavaやC、C++など)の資格を取得していると採用されやすいなどのメリットにもなりますのでおすすめの資格です。
例えば、以下は埼玉県のソフトウェア設計の求人です。
こちらの求人の求める人材の欄では、「C、C++言語での設計経験・組込みソフトウェア設計経験・RTOSの経験・Java、Perl、Python等の経験あれば尚可」との記載があります。使用しているプログラミング言語はC言語などです。
そのため、C言語プログラミング能力認定試験等の資格を取得していることで転職を有利に進められる可能性もあります。
たくさんの種類があるプログラミング言語ですが、このように、企業によって求めている人材が異なるため、転職活動を進める上でご自身が持っているプログラミング言語の資格を活かせる転職先を探すのもひとつの手です。
【TOEIC】
役立つ資格の三つ目が「TOEIC」です。ソフトウェア設計の求人では、ITに関する知識のみではなく英語力を求めている企業もあります。
ちなみに、「ソフトウェア設計 TOEIC」と検索をかけてみると数多くの求人広告が出てくることがわかります。
海外に進出を狙っている企業や、海外の企業が参入している場合などではクライアントのやり取りが英語の場合もあります。
こちらの求人では、歓迎要件でTOEIC500点程度の英語力と記載があります。500点程度とは、ビジネスで使用する英語力の最低限程度のレベルです。
このように、TOEICの点数を参考に採用をしている企業もあり、さらに、ハイスコアを取得することでキャリアアップに繋がる可能性もあります。
繰り返しますが、ソフトウェア設計の仕事では、必須の資格はありません。しかし、取得していることで役に立つ資格や、転職に有利に働く資格もあります。
すでに取得している資格を活かしながら、転職活動を進めるのもよいでしょう。
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ソフトウェア設計の年収・給料を理解する
最後に、ソフトウェア設計の年収・給与についてです。求人ボックス給料ナビによると、ソフトウェアエンジニアの平均年収は549万円となっています。
業務形態や勤務地・開発規模にもよって差がありますが、IT業界の中では高収入を得ることができる職種であると考えられます。
ちなみに、IT業界は成長を続けている一方で人材は不足しており、今後も人材不足が続く可能性があります。そのため、未経験者も参入しやすい業界です。
しかし、実務経験やスキルがある方を求める企業も多くあり、経験やスキルによって給与が変わることもあります。
例えば、以下は神奈川県のソフトウェア開発設計の求人です。
こちらの求人では、年収500万円～900万円と幅があります。年収は、経験や能力により決定されるため、実務経験がある方のほうが高収入を得られると考えられます。
想定年収では、担当者クラス400万円～650万円・主任クラス700万円～850万円・課長クラス950万円～となっており、昇進するにつれ年収もアップしているため、昇進を目指すのもよいでしょう。
また、実務経験があり、スキルが高く年齢や会社の規模などにより年収1000万円以上の年収を得られる場合もあります。年収アップを目的に転職活動を進めている方は、高収入を目指せる求人を探していきましょう。
まとめ
ここまで、工場・製造業のソフトウェア設計に転職するために知っておきたいことについて紹介しました。
「設計」と「開発」は厳密には違う仕事内容ですが、企業によっては仕事が統合されている場合あり「ソフトウェアエンジニア」として募集をしている企業もあります。なお、ソフトウェア設計の仕事に転職する際に、特別な資格を取得してる必要はありませんが、取得資格によっては転職に有利に働く場合もあります。年収や給与も、実力や経験・スキル、頑張り次第で上がる傾向があります。
また、残業が多いという声もあるソフトウェア設計の仕事ですが、求人内容によっては残業時間も短く、休日もしっかりとありプライベートな時間を確保することが可能な求人もあるため、残業を減らしたいと考える方は、残業の記載もチェックしていきましょう。
工場・製造業のソフトウェア設計の仕事内容や年収・給与についてしっかりと把握し、ご自身が転職後どのような働き方をしたいのかを明確にすることで、ご自身の希望する求人を見つけることができます。
工場・製造業に転職をするとき、ほとんどの人は転職サイトを活用します。転職サイトを利用しないで自分の力だけで求人を探すと、希望の条件を満たす求人を見つける作業のみならず、労働条件や年収の交渉・アポ取りなどさまざまな作業を自分でやらなければなりません。
そこで、転職サイトに登録することで、求人の紹介から労働条件や年収交渉だけでなく、履歴書や職務経歴書などの書類関係を送付するなど面倒な事務作業まで行ってくれます。
ただし、転職サイトによって特徴が違います。例えば「工場・製造業の転職に強い」「全国各地に強いのか、それとも都市部に強いのか」「20代・第二新卒が得意」「40歳以上でも転職を成功させてくれる」などの違いがあります。
転職を成功させるには、これらの違いを理解した上で転職サイトを活用しなければなりません。そこで、以下のページでそれぞれの転職サイトの特徴を解説しています。これらを理解することで、転職での失敗を防ぐことができます。
