サービス業から工場にアイキャッチ

「理不尽なクレームが辛い」「土日や大型連休も出勤しなければならない」「給料が割に合わない」などといった理由から、サービス業から工場・製造業への異業種転職へチャレンジしようと考えている方がいます。

しかし、「サービス業から工場・製造業へ転職はできるの?」「未経験でも大丈夫?」「サービス業からの転職でおすすめの職種は?」など、畑違いの仕事を始めるにあたって、わからないことや不安なことも多くあるでしょう。

そこで、ここではサービス業から工場・製造業へ転職の転職で感じる魅力、反対に大変だと感じてしまう面、サービス業の人が向いている工場の職種、志望動機の考え方について紹介していきます。

サービス業から未経験で工場・製造業に転職できる?

結論からいいますと、サービス業から未経験で工場・製造業へ転職することは可能です。工場・製造業では、未経験者を積極的に採用している傾向があるため、未経験者も転職しやすい業種であるといえるでしょう。

なお、未経験で「自分に工場の仕事が務まるのか」と心配になる方がいますが、未経験者でも携われる仕事や、今までの経験を活かせる仕事があるため、心配不要です。

とはいえ、工場・製造業では職種によって高い専門性が必要となる場合があるため、職種を絞って転職活動を進めることが転職成功への近道となります。

未経験でも工場・製造業で活躍できる

まず、工場・製造業は、未経験者でも転職しやすいという特徴があります。なぜかというと、作業工程がマニュアル化してあることで専門知識がなくても働ける環境が整っているからです。そのため、異業種から工場・製造業へ転職して活躍している方がいます。

入社後にマニュアルを覚え、やり方に沿って仕事を進めれば、すぐにでも即戦力として活躍できます。

なお、携わる仕事によっては、専門知識や実務経験、資格が必要な仕事があります。しかし、工場・製造業では、社会人経験やコミュニケーション能力を重視している職種があるため、未経験であっても転職後に活躍できる場面が多々あるでしょう。

また、年齢層も幅広く40代くらいまでであれば、工場・製造業の仕事が未経験であっても転職可能です。

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サービス業からの転職で感じる工場・製造業の魅力

さて、サービス業は「人と関わる仕事」「接客業」であることから、接客のストレスを感じている方が多くいます。

サービス業からの転職理由で最も多い理由が、人間関係のストレスです。いつも笑顔で接客をしなければならないことに疲れを感じたり、時には理不尽なクレームや態度が悪い方への接客で神経を使ったりと、接客に大きなストレスを感じている方がいます。

一方、工場・製造業は、製品を作るための生産ラインで機械や工具を扱ったり、作業工程を管理したりすることが主な業務となります。そのため、顧客との直接的な接触がないので、接客に関するストレスが少ないと言えます。

他にも、サービス業から工場・製造業へ転職する魅力があるため、その点について紹介します。

安定した収入と福利厚生の充実

工場・製造業の魅力のひとつとして、安定した収入と福利厚生の充実があげられます。サービス業からの転職理由で多いのが、時給が低い事や一生懸命働いているのに給料が割に合わないと感じるなどといった理由があります。

収入が不安定であることは、それだけでストレスを感じ、不安に気持ちになってしまうでしょう。

なお、サービス業での転職理由にあげられる将来に対する不安に対しても、安定した収入に加え、キャリアアップが望める工場・製造業へ転職できれば昇進・昇給も望めます。

その点から考えると、工場・製造業は安定した収入を得られて、実は結構稼げるといった魅力があります。

工場・製造業では、「きつい」「汚い」「危険」の3kに加え、給与が低いといったイメージを持つ方がいますが、一概にはいえません。

工場・製造業勤務でも、高収入を得ている方はいますし、サービス業の時よりも高い収入を得られる可能性も十分あります。

例えば以下は、神奈川県の生産ライン作業の求人です。

サービス業から工場に求人票1

こちらの求人は、未経験歓迎の求人となっています。仕事内容は、生産ラインで行うパッケージ作業を管理する仕事です。

さらに、こちらの求人の魅力的なポイントは、福利厚生が手厚い点と、未経験者にはありがたい教育制度がしっかりとある点です。

工場・製造業の求人案件では、従業員やその家族が安心して過ごせるよう、福利厚生が充実している企業が多くあります。将来的にも、安定して働きたいと考える方には、給与面だけではなく福利厚生を含めて長くは働く企業を選択していくことが大切です。

製品が出来上がるまでの過程を楽しめる

つづいて、工場・製造業の魅力として、製品が出来上がるまでの過程を楽しめるといった点があります。日常で使用しているもの、食べているもの、乗っているもの、着ているもの、ありとあらゆるものが工場で作られています。

工場・製造業で働くことで、普段何気なく使っている製品がいったいどうやって出来上がっているのか、ひとつのものが作り上げられるまでに、たくさんの人が関わっていることについて知れることは、工場・製造業で働く楽しみでもあるといえるでしょう。

自分が携わった製品が店頭に並んだり、お客さんが使用して喜んでいる顔を見たりと、工場・製造業はやりがいを感じられる仕事でもあります。

例えば以下は、千葉県のマシーンオペレーターの求人です。

サービス業から工場に求人票2

こちらの求人は、未経験者応募可能な求人です。初心者でも先輩社員が指導してくれるため安心して働けます。また、こちらの求人案件にもありますように、工場・製造業の仕事はやりがいを持って働ける仕事が多く存在します。

工場・製造業では、製品の裏側をしりモノづくりの工程を楽しめるといった点や、自分が携わって製品でお客様が喜んでくれる点に魅力を感じれるでしょう。

工場・製造業の大変な面

工場・製造業への転職で魅力を感じる面がある一方、工場・製造業で働くときに大変だと感じてしまう面があります。

具体的には以下の点があげられます。

  • 単純作業の繰り返しで飽きてしまう
  • 工場へのアクセスが悪く通勤しづらい
  • 作業環境が悪い

などです。

工場の魅力だけではなく、大変な面も知ることで転職後の「こんなはずじゃなかった」という後悔を防ぐことができるでしょう。

ここでは、工場・製造業の大変な面について具体的に紹介していきます。

単純作業の繰り返しで飽きてしまう

多くの工場・製造業、未経験者であっても作業ができるようにマニュアル化されているとお伝えしましたが、言い換えれば誰でもできてしまう仕事でもあります。

一度覚えればできる仕事が多く、その内容は同じ作業の繰り返しの場合が多いため、人によっては仕事内容に飽きを感じてしまうことがあるでしょう。

単純作業を繰り返すことは簡単なように感じる方がいますが、実は集中力や忍耐力が必要な仕事です。最初のうちはよいのですが、飽きっぽい方は仕事が続けられないことが考えられます。

集中して作業ができるように、時計を見ないことや日々効率よく作業を行うことを考えながら仕事に取り組むとよいでしょう。

工場へのアクセスや作業環境が良くない場合がある

次は、勤務先の工場まで通いにくい場合や工場内の作業環境が良くない場合があるといった点についてです。

求人案件を検索する時に、給料や待遇のみではなく工場の場所についてチェックしていると思いますが、工場が通いにくい場所にある場合があります。

工場がある場所は、敷地が広い事、物流の流れが良い事、材料や資材の調達がしやすい場所、電力の供給安定など、さまざまな条件に合った土地を選ぶため、郊外であることが少なくありません。

そのため、通勤に時間がかかったり、通勤ルートが複雑であったり、自家用車での通勤となったりと、通勤の選択肢が狭まることが考えられます。

通勤時間がどのくらいかかるか、通勤ルートはどうか、公共交通機関を利用して通勤できるのか、それとも自家用車やバイクで通勤しないといけない場所に工場があるのか、などについてもしっかりと確認しておくことが大切です。

それに加えて、交通費支給の有無、駐車場や駐輪場の費用がかかるのかどうかについても確認しておきましょう。

作業環境が悪い

また、作業環境が整っておらず、音・におい・温度などストレスを感じてしまうことがあるでしょう。

しかし、1980年代~工場・製造業では、5Sと呼ばれる環境改善ための取り組みを行っている企業が増えてきました。

5Sとは「整理・整頓・清掃・清潔・しつけ」の頭文字のSで、職場環境を整えることで工場の安全性・生産性の向上を図るためのものとされています。

工場・製造業と聞くと汚いイメージをお持ちの方がいますが、実際はそんなことはありません。

特に大手企業では、この5S活動に積極的に取り組んでいるため、整った作業環境の中で仕事ができます。

作業環境が気になる方は、面接時などで質問したり、工場見学をさせてもらったりして、入社前に確認をしていきましょう。

サービス業の人が向いている工場の職種

サービス業と一口に言っても大きく分類されるのと同様に、工場・製造業も、さまざまな分野に分かれています。

食品・化学・素材・機械・自動車・電気・医薬品などさまざまなメーカーが存在するため、どのメーカーのどんな仕事がしたいのかという点について理解しておく必要があります。

自分自身がどのような仕事がしたいのか、どのような仕事が向いているのか、活かせるスキルを持っているかなど、整理して職種を見極めていきましょう。

なお、サービス業からの転職でおすすめできる職種は以下の通りです。

  • 製造スタッフ
  • 営業
  • 工場事務

ここでは、上記3つの職種について紹介していきます。

製造スタッフ

サービス業から工場・製造業への転職を考えている方の中には、サービス業での人間関係や、人づきあいが嫌になってしまい転職を考えている方がいます。

そんな人間関係に疲れてしまった方や、人と話すのが苦手な方におすすめな職種が製造スタッフです。

なぜかというと、製造スタッフの仕事はひとりでもくもく作業が多く、コツコツと仕事をこなすのが得意な方や、対人の仕事をなるべく避けたいと考える方にとっては働きやすい仕事であるといえるからです。

製造スタッフであれば、積極的に周りとコミュニケーションをとらなくても、自分の仕事に集中して働けます。

なお、業務内容は、生産しているモノによって異なりますが、ライン作業と呼ばれるベルトコンベアの横で組み立て作業を行ったり、仕分け、梱包作業を行ったりするのが主な仕事です。

例えば、以下は千葉県の製造スタッフの求人です。

サービス業から工場に求人票3

こちらの求人は、機械オペレーター作業・梱包・検査の仕事で、梱包と検査についてはもくもくと仕事を行います。

希望する職種や条件などの相談ができる企業なので、集中してできる仕事を希望するなど伝えてみてもよいかもしれません。

なお、ライン作業は、スピードと正確さを求められる仕事ですので、集中力が必要です。そのため、作業中に話をする時間は少ないでしょう。

ただし、まったく会話をしなくていいかというわけではありません。効率よく作業し、生産性を保たなければならない工場では、業務に必要な会話、報告・連絡・相談などの必要なことについては行う必要があります。

つまり、「プライベートな話はしたくない」「必要最低限の人づきあいで済ませたい」と考える方にとっては、人との距離感を保てて働ける環境の製造スタッフがおすすめです。

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営業

つづいて、おすすめできる職種は営業です。営業の仕事は、自社の製品の売り込みや、業績アップを目的として活動していきます。

先程の製造スタッフとは異なり、顧客や従業員と積極的にコミュニケーションをとることで、成績を残せることができるでしょう。

そのため、人と関わることが好きな方やこれまで培ってきたサービス業でのコミュニケーション力を活かしたいという方におすすめできる職種です。

また、営業の仕事は、土日祝休みの求人案件が多く、サービス業では休みがとれなかった土日が休みになるなどのメリットがあるでしょう。

例えば、以下は東京都の営業職の求人です。

サービス業から工場に求人票4

こちらの求人は、週休二日制で土日休みとなっています。サービス業時代は、土日や大型連休は休みが取れなかったという方にとっては、土日休みの仕事は魅力です。なお、勤務時間が8:55~17:40となっているためプライベートな時間をしっかりと確保できます。

また、サービス業の方は、「伝える力」「聞く力」「察する力」を得ている方が多いのが特徴です。その能力を存分に発揮できる仕事が営業の仕事でもあります。

それに加えて、製品をおすすめしていく仕事ですので、「その製品が好きなこと」が強みになるでしょう。

転職先の企業を探す際には、あなたが好きな製品を製造している企業の求人案件の検索や、普段使用している製品を製造している企業を探してみるのがおすすめです。

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工場事務

つづいて、おすすめの職種は工場事務です。工場事務は、工場のデータの打ち込みや電話対応などで、一般企業の事務職との違いはそれほどありません。異なる点としては、工場事務では接客が少ないという点です。

一般企業の事務では来客対応が必要な場合がありますが、工場事務は来客が多くないためです。

なお、工場事務は無資格・未経験でも働ける仕事のひとつです。ただ、パソコンスキルを必須としている求人案件がありますので、必要なスキルや資格について確認しておきましょう。

例えば、以下は千葉県の金型メーカー事務の求人です。

サービス業から工場に求人票5

こちらの求人は、受発注から納品までの管理業務全般となっています。未経験者も応募可能で、異業種からの転職も歓迎となっています。そのため、サービス業からの転職で挑戦しやすい職種のひとつであるといえるでしょう。

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サービス業から工場・製造業へ転職するときの志望動機の考え方

では、サービス業から工場・製造業へ転職をするときにどのような志望動機を書いたらよいのでしょうか。

志望動機では、「この企業だから入社したい」という気持ちを記載することで、転職に対する本気度が伝わりやすいです。採用担当者に「この人と働きたい」と思わせる志望動機を書けることを目指して志望動機を考えていきましょう。

ここでは、志望動機例をあげて志望動機の考え方を解説していきます。

まず、サービス業からなぜ工場・製造業へ転職したいのかという理由について述べ、そのうえでなぜこの企業を選んだのかについても明確に伝えられるようにしましょう。

志望動機例

志望動機例:サービス業から工場・製造業の事務職へ転職

前職では、ホテルのレストランで働いておりました。

従業員のシフト管理を任されていたため、貴社の事務の仕事で、私のパソコンスキルやコミュニケーション力が活かせるのではないかと感じています。

なお、接客の仕事の経験から電話対応や来客対応をはじめ、備品管理やデータ入力、給与計算などでお役に立てると思います。

また、工場が効率よく稼働するためには、現場で働く方がスムーズに作業ができるよう細やかな気配りが必要であると考えています。

一緒に働く方が気持ちよく仕事ができるような環境づくりのお手伝いをさせていただきたいと思い志望しました。

志望動機例:サービス業から工場・製造業のライン作業へ転職

私は、貴社の〇〇という製品を小さいころから使用しています。異業種からの転職になりますが、〇〇という製品の製造に携わりたい、より多くの人に〇〇を知ってほしいという強い思いから応募いたしました。

また、私はコツコツとした仕事や、細かい作業が得意で、黙々と作業を行う仕事が向いていると思います。

入社後は高い集中力活かし、効率よく製品の製造や貴社の事業発展に貢献してまいりたいと考えています。

応募する企業や職種によって、志望動機の内容は変わってくると思います。

ひとりで、志望動機を考えるのは難しい場合や、異業種転職で不安を感じる方は、転職エージェントを利用して、転職全般のサポートをしてもらうのもおすすめです。

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まとめ

これまで、サービス業から工場・製造業へ転職の転職で感じる魅力、大変だと感じてしまう面、サービス業の人が向いている工場の職種、志望動機の考え方について紹介していきました。

サービス業で培ってきたスキルを活かしながら、未経験であっても工場・製造業への転職が可能です。また、サービス業からの転職理由で多い、人間関係のストレスや休日や勤務時間については、工場・製造業へ転職することで改善に繋がる可能性が高まることがわかりました。

さらに、工場・製造業ではたくさんの職種があるため、幅広い選択肢の中から、あなたにあう仕事が見つけられると思います。

異業種転職で、わからないことが多くある方は、転職エージェントを利用して転職活動を進めることで後悔しない転職を進めていきましょう。


工場・製造業に転職をするとき、ほとんどの人は転職サイトを活用します。転職サイトを利用しないで自分の力だけで求人を探すと、希望の条件を満たす求人を見つける作業のみならず、労働条件や年収の交渉・アポ取りなどさまざまな作業を自分でやらなければなりません。

そこで、転職サイトに登録することで、求人の紹介から労働条件や年収交渉だけでなく、履歴書や職務経歴書などの書類関係を送付するなど面倒な事務作業まで行ってくれます。

ただし、転職サイトによって特徴が違います。例えば「工場・製造業の転職に強い」「全国各地に強いのか、それとも都市部に強いのか」「20代・第二新卒が得意」「40歳以上でも転職を成功させてくれる」などの違いがあります。

転職を成功させるには、これらの違いを理解した上で転職サイトを活用しなければなりません。そこで、以下のページでそれぞれの転職サイトの特徴を解説しています。これらを理解することで、転職での失敗を防ぐことができます。