食品工場のアイキャッチ

食品工場の仕事は幅広く募集されており、目にする機会も多いです。工場によって扱われる製品は多岐にわたり、作業内容もさまざまです。

そのため食品工場の仕事とひとくくりにしても、どのような工場で勤めるのかによって大変さや待遇が変わります。例えば、検品のライン作業は未経験の女性も取り組みやすいですし、高収入を目指すなら夜勤業務がある工場が狙い目です。

そこで今回は、食品製造業に転職する際の仕事内容や仕事環境、志望動機の書き方まで含めて解説します。

食品工場の仕事内容は?種類や業種を確認する

まずは食品工場の仕事について確認します。食品工場では、加工食品・飲料・食品原料などが作られます。もとの原材料に手を加え、味や保存性を高めたり、運びやすくしたりする加工を行います。

例えば食品工場の食肉加工の仕事は、肉の塊を切り分ける作業が中心です。規模の大きい工場の場合、機械で肉を切ることも多いため、力に自信がない人でも無理なく作業できます。ただし、冷凍肉を扱う場合は寒い環境での仕事が増えます。

また弁当工場の場合は、加工よりも盛り付けが中心となることもあります。別の工場で加工された具材について、ベルトコンベアーを使ったライン作業で盛り付け、チームで弁当を完成させます。

他には、以下のように食品を袋詰めする作業などがあります。

食品を袋詰めする作業

このように食品工場では、様々な工程に分かれて作業を行います。それぞれの工程については、以下で詳しく説明していきます。

自分にあった食品工場の業務を確認する

前述の通り、食品工場では多種多様な業務があるため、仕事内容をよく理解したうえで自分にあった仕事を選ぶのが大切です。食品工場の仕事内容は、大きく分けると製造・品質管理・検品・仕分けに分類されます。

  • 製造

素材の切り分けから、加工工程まで多岐にわたります。

  • 品質管理

製品の細菌検査や、塩分・pH(水素イオン)などの管理をします。

  • 検品

異物混入のチェックや、製品に問題がないか確認します。

  • 仕分け

製造した食品を、出荷しやすいように仕分ける工程です。

食品工場では、これらの工程に分かれて業務を行います。それぞれの工程については以下で解説します。

未経験者でも取り組みやすい製造の機械オペレーター

まず、製造工程は人の手で行う作業と機械で行う作業に分けられます。手作業の場合、水産加工工場で魚をさばき、頭や内臓を除去する作業を手で行います。色々な種類の魚を扱う機会が多いため、やや難易度の高い技術が必要となります。

一方、機械オペレーターでは工程ごとにコンベアーが分かれて流れ作業をすることが多く、未経験OKの求人も数多く出ています。

例えば、以下は千葉にある食品工場の求人です。

食品工場の求人票1

このように、未経験でも機械オペレーターとして働くことは可能です。また、製造ラインに入るため1つの作業を覚えてしまえば無理なく続けられます。ただ、同じ作業の繰り返しとなるため、同じ作業を黙々と取り組める人に向いています。

ちなみに、以下は実際の食品工場のライン作業の様子です。

食品工場のライン作業

他には、同じ作業の繰り返しではなく、自分のペースで作業できる工場もあります。例えば、以下は千葉にある食品加工工場の求人です。

食品工場の求人票2

この求人の場合は冷凍されたサケやサバを機械で加工する仕事になります。また、未経験OKでライン作業ではないので、ライン作業が苦手な方にもおすすめになっています。

なお、食品工場の機械オペレーターの場合、機械の洗浄や清掃はやや大変な仕事です。何らかの菌が付着し、食中毒などの問題が発生してしまっては一大事です。そのため担当する機械や工場の床など、清潔さを保つための丁寧な仕事が求められます。

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栄養士の資格や実務経験がある人は品質管理がおすすめ

次に、食品工場への転職を目指す場合、栄養士の資格や実務経験があると有利です。特に細菌の検査や衛生指導を行えたりするため栄養士の資格を保有していたり、実務経験があったりする人は品質管理がおすすめになります。

ちなみに品質管理は、主に以下の仕事を行います。

  • 製品の検査や分析

できあがった製品の細菌検査や、水分やpH(水素イオン)などの値を確認する理化学検査を行います。

  • 工場内の衛生管理

工場内の機械・道具・スタッフなどの衛生面を管理し、製品に細菌がつくのを防ぎます。細菌が発生した場合は、どの工程に問題があったかを調査して改善します。

  • 製品の規格書や一括表示を作成

商品規格書や、賞味期限表示などのラベル作成を行います。

  • 問題発生時の原因究明

異物混入などのクレーム発生時、どこに原因があったのかを突き止め、対策をまとめた報告書を提出します。

  • スタッフへの衛生指導や工場監査

食品衛生に関する教育や、工場内のマニュアルやルールの遵守状況を確認します。

品質管理工程については検査・分析を行う作業が多くなるため、品質管理室で白衣を着て作業するケースもあります。

例えば、以下は千葉にある食品工場の求人です。

食品工場の求人票3

この求人では、書類作成や細菌検査・衛生指導などを行う作業になるため、管理栄養士や栄養士の資格が求められています。栄養士の資格を持っていれば、「食への知識が高く、衛生面での意識が高い」というアピールにもつながります。

食品工場の品質管理は、製品の安全性を守る役割を担うため、責任の重い仕事です。常に細かい部分への注意を怠らず、ミスなく作業することが求められるため緊張感はありますが、その分やりがいも感じられます。

また、品質管理は社内の多くのメンバーと関わるため、コミュニケーション能力が高い人に向いています。また、細やかな作業ができることや、責任感の強さも求められます。

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女性に人気な検品工程のライン作業

次に検品の工程です。検品とはできあがった製品を検査することであり、不良品や基準に満たない製品の出荷を防ぐ役割があります。コンベアーから流れてくる製品を、ライン作業で1つ1つ素早く確認する仕事が多いです。

  • 目視検査

製品を目視で確認し、基準を満たさない製品を取り除きます。不良品はクレームや事故につながりかねないので、くまなくチェックします。集中力が求められるため、ローテーションを組んで交代制をとるケースもあります。

  • 外観検査

製品に傷や変色が見られないかを確認します。人の目で行うこともあれば、機械に通して検査を行う工場もあります。

例えば、以下は千葉にある食品製造工場の求人です。

食品工場の求人票4

この求人では、豆腐や油揚げの製造・検品・梱包を行う作業になっています。この工場に限らず、基本的に検品工程は未経験でも応募でき、比較的簡単な作業が多いです。

なお、同じ作業を黙々と繰り返す作業なので、飽きっぽい人にはあまり向いていません。しかし、重労働は少なく、覚えやすい作業のため、女性に人気のある業務です。

ちなみに、以下は実際の食品工場で検品作業を行っているところです。

食品工場で検品作業

仕分け工程は簡単なものを選ぼう

次に仕分けの工程があります。食品工場での仕分け工程は、発送先ごとに品物を分けたり食材を工程別に分けたりする作業になります。そのため、仕分け作業の中には、きつい仕事も存在します。例えば、冷蔵・冷凍食品を扱う工場は、製品の温度管理のために工場内がとても寒い場合があるため、寒いのが苦手な人は避けるのが無難です。

また、検品した製品を段ボールに詰め、倉庫に運ぶまでが業務に含まれている場合は、想像以上の重労働になる可能性があります。仕分け工程に興味があるけれど体力に自信がないという人は、工場見学をしてみるのも1つの手です。

このような大変な作業を避け、簡単な仕分け作業を選択するとよいと言えます。例えば、以下は千葉にある食品工場の求人です。

食品工場の求人票5

この求人では、バーコードをスキャンして商品をお届け先のカゴに入れるだけの簡単な作業になります。また、重い物の上げ下ろしがなく、移動の際も台車を使用するため体に負担がありません。

このような求人に応募することで、仕分け作業でも無理なく働くことができます。

職場環境を重視する方はクリーンルームがおすすめ

なお、仕事しやすい職場環境を求めている人は、クリーンルームで働ける求人を探すのがおすすめです。

クリーンルームとは、特殊な機械で空気の清浄が保たれており、きれいな状態を維持している部屋を指します。食品工場のバイオクリーンルームでは、空気中の微生物が大幅にカットされているのが特徴です。異物混入を防ぐため、食品工場ではクリーンルームの設置が増えています。

例えば、以下は埼玉の食品工場のクリーンルーム内で働ける求人です。

食品工場の求人票6

この工場では、バターやマーガリンをクリーンルームで製造する作業になります。また、クリーンルームでは温度や湿度が一定に保たれているため、労働環境は快適です。さらに虫が大敵で、虫が来ないように毎日徹底して清掃を行うため、衛生的にも優れています。そのため、職場環境を重視する人にはクリーンルームでの仕事がおすすめです。

しかし、休憩時間以外でトイレに行くのが難しいという側面もあります。作業を停止しつつ作業服に着替える必要があるため、仕事を大幅に止めてしまう原因になります。また、ゴーグルやマスクによる二次更衣が、体の負担に感じる人もいます。

このように、クリーンルームを設けた施設やキッチンでの作業は一長一短があります。しかし、職場環境を重視する人はクリーンルームの求人を探してみましょう。

食品工場の正社員は楽?

それでは、食品工場の仕事は楽なのでしょうか。基本的に、食品工場ではシンプルな作業を続けることがメインになるため、難しくはありません。しかし、品質管理は高度な知識が求められ、作業内容も多岐にわたるため、難度の高い作業を避けたいのであれば製造・検品・仕分けの工程を選ぶのがよいでしょう。

なお、働く人の性格によっては食品工場が合わないケースもあります。同じ作業を1日中繰り返すのが苦手な人にとってはつらい仕事になります。他の従業員と一切喋らず作業を行うため、誰かと会話しながら仕事をしたいという人にも向いていません。

反対に、同じ作業を黙々とこなすのが好きで、コミュニケーションをとらなくても大丈夫という人は、食品工場の仕事は楽に感じる可能性が高いです。

例えば、以下は東京にある食品工場の求人です。

食品工場の求人票7

このように、ラインの中に入って同じ作業を繰り返す仕事になるため、一人でモクモクと作業したい人には楽だといえます。

食品工場では休憩時間を頻繁に設けている

また、食品工場ではライン作業であったり食品白衣を着ていたりするため休憩を取りづらいというイメージがあるかもしれませんが、食品工場では休憩時間を頻繁に設けているのが一般的です。昼の休憩時間とは別に、2時間ごとに10分程度の休憩時間が設けられ、トイレ休憩を取れるようになっています。

現場によっては、寒かったり暑かったりしてつらい可能性もありますが、その分だけ定期的に休憩時間が設けられているケースもあります。食品工場は単純作業ですが集中力が求められるため、作業能率を保つためにも休憩時間が用意されているのです。

例えば、以下は山口にある食品製造工場の求人です。

食品工場の求人票8

この工場は、フリーズドライ製品を製造している工場でお昼休憩以外に午前と午後に各15分の休憩があります。このように、多くの食品工場でお昼以外に定期的に休憩を設けることがあります。

食品工場の給料は安い?夜勤で年収アップ!

一方で、食品工場の給料が気になるところです。工場や業務内容によって異なりますが、食品工場の月収の目安は17~24万円前後です。ちなみに製造業で25~29歳の平均月収は23万円なので、おおむね平均的な収入といえます。

ただ、少しでも給料を上げたい場合には、深夜手当のつく夜勤業務ができる求人に応募することがおすすめです。例えば、以下は三重にある飲料製品の製造を行っている工場の求人です。

食品工場の求人票9

この工場では、入社1年目の月収モデルで深夜手当が3万5000円付くようになっています。このように、同じ労働時間でも高収入が見込めます。さらに、残業を行うとプラス4万円が上乗せされます。このように、少しでも給与アップを目指している場合は、積極的に夜勤勤務を狙いましょう。

履歴書や面接の志望動機・自己PRのポイント

それでは、食品工場への転職を実際に希望する場合、どのような志望動機にすればよいのでしょうか。

このとき食品工場で求められているのは、同じ作業の繰り返しを集中して取り組める粘り強さや、体力や健康面の不安なく長期にわたって勤められることです。

さらに、熱意をもって働けるという点について、調理・ものづくりが好きということをアピールしましょう。これらを踏まえて志望動機を作ると以下のようになります。

御社を希望した理由は、御社の手掛けている安全で健康的な食品の製造に魅力を感じたためです。食の安全は今後広く求められると予想されますが、すでに安全性を打ち出している御社の方針に共感したため、御社のもとで安全な食品を消費者に届けたいと思い応募いたしました。

また、前職ではライン作業の工場で働いていたため、何事にも集中して粘り強く取り組むことができます。調理が好きで、自分の作った料理を食べてもらえることに喜びを感じるため、一日も早く仕事を覚えて貢献できるように努力いたします。

このように、「なぜその会社を希望するのか」「何をやり遂げたいのか」「自分自身の強みは何か」などを伝えると、好印象を与えられます。

なお、食品工場は未経験歓迎なので、これまでの職歴や経験に自信がなくても問題なく応募できます。履歴書や面接で仕事への熱意を伝え、「活躍してくれる人材だ」と思ってもらえるよう、丁寧に受け答えをしましょう。

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まとめ

ここまで、食品工場の仕事内容や職場環境について説明してきました。食品工場で働きたい場合は、まずは食品工場における仕事内容を把握し、どの工程が自分に合っているのかを見極める必要があります。

製造・検品・仕分けの工程は未経験者歓迎の求人が多く、業務内容も複雑なものではないため、未経験でも自信をもって応募できます。

同じ作業を黙々とこなすのが好きな人や、他の従業員と会話をしなくても大丈夫という人には、食品工場での勤務が向いています。

転職後に後悔することのないよう、転職活動中にしっかり勤務内容を確認し、自分に合った食品工場かどうかを判断するのが大切です。これにより、働きやすい食品工場の求人を見つけられます。


工場・製造業に転職をするとき、ほとんどの人は転職サイトを活用します。転職サイトを利用しないで自分の力だけで求人を探すと、希望の条件を満たす求人を見つける作業のみならず、労働条件や年収の交渉・アポ取りなどさまざまな作業を自分でやらなければなりません。

そこで、転職サイトに登録することで、求人の紹介から労働条件や年収交渉だけでなく、履歴書や職務経歴書などの書類関係を送付するなど面倒な事務作業まで行ってくれます。

ただし、転職サイトによって特徴が違います。例えば「工場・製造業の転職に強い」「全国各地に強いのか、それとも都市部に強いのか」「20代・第二新卒が得意」「40歳以上でも転職を成功させてくれる」などの違いがあります。

転職を成功させるには、これらの違いを理解した上で転職サイトを活用しなければなりません。そこで、以下のページでそれぞれの転職サイトの特徴を解説しています。これらを理解することで、転職での失敗を防ぐことができます。